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山から街へ、ファッションアイテムとしても進化

高所を攻められる山着としてのスペックもさることながら、街で映えるデザイン性の高さも「ザ・ノース・フェイス」の不変の魅力だ。ヌプシジャケットほどの名作となれば、むしろ冬の街着としてのイメージの方が強いのかもしれない。



そのきっかけとなったのが、'90年代に台頭してきた海外のヒップホップアーティストたちだ。ウータン・クランやナズといった当時チャートを席巻していた面々が、ヌプシを着こなしたことで、B-BOYファッションのアイコンとして知られるようになっていく。

ヌプシジャケットをペアルックした安室奈美恵とSAMのツーショットも話題に。

ヌプシジャケットをペアルックした安室奈美恵とSAMのツーショットも話題に。


その後、2000年代に入ると、日本でもストリートシーンを中心にヌプシが流行。ヌプシを身に纏ったファッションアイコンの影響も手伝い、街着としての人気が年を追うごとに高まっていった。

“恵比寿系”、“裏原系”といった、日本のストリートシーンにも波及。

“恵比寿系”、“裏原系”といった、日本のストリートシーンにも波及。


ついにはジャケット以外にも、“ヌプシ”の名を冠したアイテムが登場する。

代表的なのが、2006年に本国アメリカで発表されたヌプシブーティーだ。ハイグリップなアウトソールに、ダウンのアッパーを合わせた一足は、雪山登山におけるキャンプ用テントシューズとしてデザインされたもの。いわば、“履くヌプシ”の誕生である。

こちらはザ・ノース・フェイス×エンダースキーマのコラボモデル。アウトソールの作りなどギア感が強め。

こちらはザ・ノース・フェイス×エンダースキーマのコラボモデル。アウトソールの作りなどギア感が強め。


ジャケット同様、本来はアウトドアギアとして開発されたものだが、こちらも次第に街履きとして広く浸透。2008年には日本企画が登場した。以降、「軽くて暖かい」冬の足元の定番として、お馴染みとなっているのは周知のとおりだ。


デビュー当時から、変わらぬ魅力で愛され続けるヌプシジャケット。

完成度の高いデザインはもとより、極地にも対応するほど優れた機能性への信頼感が、その人気を支えているのは言うまでもない。

30年にわたって培ってきたテクノロジーと歴史に敬意を表して、今年もその軽さと温かさに目一杯甘えようではないか。
誕生当時のヌプシが見られるポップアップ開催中!

ヌプシジャケットの30周年を記念して、ザ・ノース・フェイス オルターでは、ポップアップを開催中。1992年に発売された初代ヌプシジャケットの展示や新作プロダクトの販売もしている。

ヌプシジャケットの30周年を記念して、ザ・ノース・フェイス オルターでは、ポップアップを開催中。1992年に発売された初代ヌプシジャケットの展示や新作プロダクトの販売もしている。

[イベント詳細]
期間:10月20日(木)〜11月15日(火)
開催場所:THE NORTH FACE Alter
住所:東京都渋谷区神宮前 6-10-9 原宿董友ビル 1F
営業時間:11:00〜20:00、不定休
「30 YEARS OF NUPTSE JACKET」特設サイトはこちら


佐藤ゆたか=写真 外山壮一=文

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