課外活動よりも学業について聞いてみる
そう考えると、学業についての話は適しているかもしれません。学生にとって学業はやらなければいけないこと=義務ですから、その点では仕事に似ています。
そういう義務でやらねばならない学業に対して、「どうせなら、楽しんでやろう」「意味あることをしよう」「目的を持ってやろう」というような姿勢で臨んで、いろいろ考えたり行動したりしている人はまさにジョブ・クラフティング的なことをしているわけで、デキる人候補かもしれません。
ところが、さまざまな調査を見ると、学生は「ガクチカ」で学業について語ることは多くありません。たいていは先に述べたような自分がやりたくてやった課外活動について語ります。
つまり、面接する側はあえて聞かなければ学業の話は聞けないのです。
相手が選んだ話はこちらか聞きたいことかはわからない
「ガクチカ」がイマイチなもうひとつの理由は、「相手に任せると聞きたいことが聞けない」ということです。
「ガクチカ」は何を話してもいい範囲の広い質問です。しかし、学生が選んでくれたエピソードが、こちらが聞きたいこと、すなわち採用基準となっている人物特性がわかる情報になっているかはわかりません。
例えば、チームワークが上手にできる人を採りたいと思っているのであれば、集団の中で立ち回ったエピソードを聞かなければならないのに、ひとりきりで自己完結するようなエピソード(受験勉強など)を話されても、そこからチームワーク力を評価することはできません。
知りたいことが聞ける質問をするべき
ほかにも「継続力」を知りたければ長期にわたる経験を聞かなくてはなりませんし、「やりきる力」を知りたければ苦労して困難を乗り越えた経験を、「発想力」を知りたければアイデアを出して新しいことを考えた経験を、「ストレス耐性」を知りたければ高ストレス場面において何かを行った経験を聞かなければなりません。
このように、採用基準になっている要素があるかどうかを知ることができるエピソードを聞かなければならないのに、相手に話の内容を任せてしまっては、それが出てくるかどうかはわかりません。
つまり、「こういう話はありますか。あれば聞かせてください」と質問するべきなのです。
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