当記事は「FLUX」の提供記事です。元記事はこちら。 オアフ島出身のウェルター級MMAファイター(掲載当時はUFC所属)、ヤンシー・メデイロス。戦うことが人生である格闘家にとって勝つこと以上に大事なこと、その核心をヨガのポーズとともに紹介。
ヤンシー・メデイロスは、別次元の落ち着きを手に入れていた。実家の庭でストレッチをしながら、リラックスしてこの数年を振り返る姿は、少年のようなはにかみと笑いに彩られていた。
30歳の時点で、プロとして4階級をまたいで19試合に出場。総合格闘技団体UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)でも2連勝を挙げている。しかし、メデイロスは、どんな勝利よりも人生でバランスと安定性を保つことのほうが重要であることを悟っていた。
若い頃は、荒っぽいオアフのウエスト・サイドでただ成り上がろうとあがいていたが、今では格闘技の世界が活躍の場だ。名声と注目を得たが、同時に誘惑が付きまとうこと、そして自分の時間も奪われ、集中力を失いかねないこともわかっている。
「ものすごく感謝しているけれど、負担になることもある。だからこそ、故郷、つまりスタート地点で自分を取り戻すんだ」。
メデイロスにとっての故郷は、両親とふたりの姉妹と過ごしたワイアナエの木造の家だ。静かなビーチから1ブロックほどのところに位置し、大きなラナイからはマンゴーとオレンジの樹が立ち並ぶ庭を見下ろせる。
「ここが俺の安全地帯なんだ。人生がうまくいくはずだと思える場所だね」。さらに、「外の世界に飛び出して、精一杯ハワイの代表として頑張りたいけれど、同時に心が通う家族と過ごす貴重な時間を逃したくないとも思う。時間をおろそかにしたくないんだ」。
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