未来を予測する!? という、未来的機能
最上級車種のEQSにはまだまだ未来的な機能が備わる。
いわゆるAIコンシェルジュのようなものが、ユーザーに先回りして「多分、今これが必要だろうな」という情報をディスプレイに自動で表示。
そのために搭載された350個もの各種センサーが走行距離や速度、加速度、降水量、気温、ドライバーのまばたきや乗員の発話状況といった多様な情報をモニタリング。
これをコントロールユニットで処理して瞬時に最適解を提示するという。学習機能付なので、使うほどにこのAIコンシェルジュは賢くなる。
SF映画の世界のようなEQSのコクピット。
エンジン音がしない静かな電気自動車はラグジュアリーセダンとしてのメリットは大きいが、代わりに静か過ぎて今度は風切り音が気になったり、アクセル全開時の高揚感が物足りなくなる場合も。
そこで風切り音を車内に届かないよう遮音対策がたっぷり行われているし、複数の疑似サウンド音からそのときの気分に応じたサウンドを選べる、なんていう至れり尽くせり感の機能も装備している。
こうした「電気自動車時代のラグジュアリーセダンとは何か?」をメルセデス・ベンツが考え抜いた末のモデルが、EQSでありEQE。
しかも日本仕様だけの機能もある。それが外部への給電機能だ。
EQE。後輪をモーターで駆動するEQE 350+と、前後ともモーターで駆動するAMG EQE 53 4マチックがある。
国産の電気自動車やPHEVでは、車を家の非常時用蓄電池として使える機能(V2H)や、車内に100V・1500Wコンセントで家電を使えるという機能(V2L)が当たり前になっているが、実はこれ、現状日本だけの技術なのだ。
特に東日本大震災の経験から広く普及している。一方で、その必要性をまだ感じていない輸入車には外部出力用の機能やコンセントは備わっていない。
そこでメルセデス・ベンツは日本仕様のみEQSやEQEにV2H機能を備え、車内にはコンセントはないけれど、家電のコンセントを差し込めるV2L専用機器も用意している。
その電力量は、最大で一般的な4人家族が普通に生活してEQSなら約7日間、EQEは約6日間分。
EQEのサイズは全長4955(EQE. 350+)×全幅1905×全高1495mm。
肝心の満充電での航続可能距離だが、EQS 450+が700km、AMG EQS 53 4マチックが601km。EQE. 350+が624km、AMG EQE 53 4マチックが526km。
長距離ドライブが当たり前のラグジュアリーセダンとしては十分な距離ではないだろうか。
車両本体価格はEQS 450+が1578万円、AMG EQS 53 4マチックが2372万円、EQE 350+が1248万円、AMG EQE 53 4マチックが1922万円。
EQEは既存Eクラスより少し高いが、EQSは既存のSクラスと同じくらい。それでこれだけ未来感を先取りできるなんて、むしろ“おトク”と言えるかもしれない。