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2022.09.19

オールブラックのランクル「70thプラド」をキャンプ仕様で乗る水上剣星の車生活


連載:俺のクルマと、アイツのクルマ
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。

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■33人目■

水上剣星さん(38歳)


ミカミケンセイ 東京・月島生まれの横浜育ち。15歳でモデルデビュー後、渡米。帰国後俳優としての活動を開始。キッズブランドのヒムハー、昨秋ローンチしたクライマーズ クライマックスを手掛ける。2人の娘を持つ父親でもある。

ランドクルーザープラドTX Lパッケージ 70th Anniversary limited


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一見、普通の現行型トヨタ「ランドクルーザープラド」に見えるが、水上剣星さんのプラドは少し違う。ボディ後部のサイドに入っているのは、それを示すエンブレムだ。

「70th ANNIVERSARYと入っているんです。当時のオプションでしたが、この車は付いていました」。



そう、このプラドはランドクルーザーの生誕70周年を記念した特別仕様車「70th ANNIVERSARY LIMITED」。2021年6月から販売されたが現在は販売が終了している。

「そういう“限定品”だったところも、惹かれた理由のひとつです」。

この特別仕様車は、プラドの精悍さと高級感をさらに増すため、ブラック塗装されたフロントグリルやヘッドランプガーニッシュが備えられている。



「アルミホイールも、通常ならシルバーですけど、ブラックに塗装されています。自分では何もしていないのに、ちょっとイジったプラドみたいに見えるので気に入っています」。



ドアを開ければ、やはり特別素材のサドルタン色をした本革が、シートやセンターコンソールを覆う。「本来なら本革シートは黒かベージュなんですけど、この色のほうが高級感がありますよね」。



人気のプラドだけど、さりげなく他人と違う。そこが剣星さんの心をくすぐった。

「それまでトヨタハリアーに乗っていたんですが、キャンプや釣り、SUPといった、アウトドアシーンに行くことが増えてきたので、もう少し積載量のある車にしようかと思っていたときに、たまたま見つけてしまったんです」。

この特別仕様車はガソリン車とディーゼル車があったが、新車時の車両本体価格はディーゼルのほうが60万円以上高い。

「中古車の価格もディーゼルのほうが高いんです」。

また5人乗りと7人乗り仕様があるが、7人乗りになると3列目シートを折り畳むため、5人乗り仕様より少し床が高くなり、その分積載量が減ってしまう。

「だからガソリン車で5人乗り仕様のコイツは、価格も仕様も、僕にとってちょうど良い感じだったんです」。



この日は撮影があるということでラゲッジ内を少し整理してきてくれたが「イメージとしてはこの倍は載ります。クーラーボックスも今日はひとつですが、これを3つ床に並べて、そこに家族4人分のギアを載せて遊びに行ったこともありますよ」。前のハリアーなら3つは載せられなかったという。

7万kmを走ったハリアーから乗り替えを検討し始めたとき、剣星さんの頭に浮かんだのはトヨタのハイエースと、トヨタが北米で販売しているミニバンのシエナだという。

「ハイエースは、親が仕事で使っていたので、時々キャンプへ行く際に借りるなど、よく使っていたんです。プラドで満載になる荷物の量でも、ハイエースなら余裕で飲み込めます。けれど、我が家の街乗りには少し向かない」。

一方シエナは日本で正規輸入されていないが、旧型までは並行輸入業者が日本で販売していた。しかし剣星さんが欲しかったのは現行型。

「ハイブリッドだから燃費もいいし、左ハンドルだからちょっと面白い選択肢かなと。そういえばハワイのタクシーがシエナだったんですが、スーツケース6個載せても全然余裕なほど積載量も十分でした」。
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ランクル「70thプラド」の車内をチェック



しかし現行型は日米の安全基準制度の違いなどで、輸入することが難しいのだという。

ピックアップのトヨタハイラックスも検討したと言うが「後席がリクライニングできなかったんです」。家族をはじめ、しょっちょう後席を使う剣星さんにとって、これがネックとなった。

どれも何かひとつ、物足りない。一方でこのプラドは「すごくバランスが取れている。街中でよくプラドを見かけるけれど、それだけ人気が高い理由がわかります」。
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そういった人気車は当然、魅力的だけれど、一方で没個性的になってしまう危険もある。だからカスタマイズする人が多いのだが、「車にあまり詳しくないので、自分でイジるのはちょっと……」。

その点この「70th ANNIVERSARY LIMITED」は、自分でイジらずとも普通のプラドよりも精悍さと高級感が増している。

あとはほんの少し、自分のライフスタイルに合わせるだけだったそうだ。例えフロアマットはアメリカのウェザーテック製に変えた。これなら泥や水で汚れた靴でそのまま乗っても、後で取り出して水で丸洗いできる。

「子供が道中でジュースをこぼしたとしても、いちいち止まって拭いたりする必要もないから便利ですよ」。



また後席やラゲッジには、ゴードンミラー製の防水カバーを使用。

「比較的安い割に、コーデュラで出来ているから摩耗にも強いので、かなり雑に扱っても問題ありません」。こんな風に、存分に遊べる仕様のプラドになっている。



もちろん乗ってもスゴくいい、と剣星さん。「確かに乗り心地的には、より乗用車感覚で乗れるハリアーのほうがいいと思いますが、プラドは安定感があります。ハリアーより大きいから街乗りはどうかなと思っていたら、全然違和感なく乗れますね」。

さらに、先行車の速度に応じて自動で加減速してくれるレーダークルーズコントロールはめちゃくちゃ便利だと剣星さん。

「先週も片道400kmくらいのところへ遊びに出かけましたが、全然へっちゃらなんです」。



この現行型プラドのデビューは2009年。いくらマイナーチェンジを何度か繰り返してきたとはいえ、古い車だが、その辺は気にならなかったのだろうか?

「まあインパネ周りのデザインはハリアーのほうが先進的でしたけれど、これはこれで味があると思っています。それ以外に古さは感じることはないですね。この車はプラドの中では最新型で、衝突被害軽減ブレーキをはじめ先進機能はだいたい付いていますから不便はないですし」。



一方で「唯一、燃費ですかね。前のハリアーがハイブリッドだったし、最近はガソリン代が高いから余計気になっちゃうのかも知れないけれど……」。

街乗りするとだいたい5~6km/L、高速に乗れば約10km/L。「まあ、すべてバランスがいいという訳にはいかないですからね(笑)」。

それでも購入してから半年間乗ってみて、やはりキャンプや釣りといった遊びに使い倒せる道具であり、街中でも前のハリアーと同じように乗り回せる。

重厚感のある見た目も好きだし、一方で都心のホテルに乗りつけてもサマになる高級感も備えている。燃費以外はいずれの項目も高得点。いちばんバランスが良かった。

そんな、ほぼ死角のないバランスの良さのおかげで、リセールバリューにも期待できそう。

「確かに。そうなるとますますフルモデルチェンジが楽しみになりますね。もう10年以上作っている車でしょ? そろそろじゃないかと噂も出ていますからね」。



そうなると、プラドは乗り継いで行きたい車?

「そうですね。世代を超えて乗り継ぎたいと思います。こんな気持ちは初めてじゃないかな。ただ、できればハイブリッドを出してほしいですけど(笑)」。

動画はコチラ!

佐藤ゆたか=写真 籠島康弘=文

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