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ランクル「70thプラド」の車内をチェック



しかし現行型は日米の安全基準制度の違いなどで、輸入することが難しいのだという。

ピックアップのトヨタハイラックスも検討したと言うが「後席がリクライニングできなかったんです」。家族をはじめ、しょっちょう後席を使う剣星さんにとって、これがネックとなった。

どれも何かひとつ、物足りない。一方でこのプラドは「すごくバランスが取れている。街中でよくプラドを見かけるけれど、それだけ人気が高い理由がわかります」。



そういった人気車は当然、魅力的だけれど、一方で没個性的になってしまう危険もある。だからカスタマイズする人が多いのだが、「車にあまり詳しくないので、自分でイジるのはちょっと……」。

その点この「70th ANNIVERSARY LIMITED」は、自分でイジらずとも普通のプラドよりも精悍さと高級感が増している。

あとはほんの少し、自分のライフスタイルに合わせるだけだったそうだ。例えフロアマットはアメリカのウェザーテック製に変えた。これなら泥や水で汚れた靴でそのまま乗っても、後で取り出して水で丸洗いできる。

「子供が道中でジュースをこぼしたとしても、いちいち止まって拭いたりする必要もないから便利ですよ」。



また後席やラゲッジには、ゴードンミラー製の防水カバーを使用。

「比較的安い割に、コーデュラで出来ているから摩耗にも強いので、かなり雑に扱っても問題ありません」。こんな風に、存分に遊べる仕様のプラドになっている。



もちろん乗ってもスゴくいい、と剣星さん。「確かに乗り心地的には、より乗用車感覚で乗れるハリアーのほうがいいと思いますが、プラドは安定感があります。ハリアーより大きいから街乗りはどうかなと思っていたら、全然違和感なく乗れますね」。

さらに、先行車の速度に応じて自動で加減速してくれるレーダークルーズコントロールはめちゃくちゃ便利だと剣星さん。

「先週も片道400kmくらいのところへ遊びに出かけましたが、全然へっちゃらなんです」。



この現行型プラドのデビューは2009年。いくらマイナーチェンジを何度か繰り返してきたとはいえ、古い車だが、その辺は気にならなかったのだろうか?

「まあインパネ周りのデザインはハリアーのほうが先進的でしたけれど、これはこれで味があると思っています。それ以外に古さは感じることはないですね。この車はプラドの中では最新型で、衝突被害軽減ブレーキをはじめ先進機能はだいたい付いていますから不便はないですし」。



一方で「唯一、燃費ですかね。前のハリアーがハイブリッドだったし、最近はガソリン代が高いから余計気になっちゃうのかも知れないけれど……」。

街乗りするとだいたい5~6km/L、高速に乗れば約10km/L。「まあ、すべてバランスがいいという訳にはいかないですからね(笑)」。

それでも購入してから半年間乗ってみて、やはりキャンプや釣りといった遊びに使い倒せる道具であり、街中でも前のハリアーと同じように乗り回せる。

重厚感のある見た目も好きだし、一方で都心のホテルに乗りつけてもサマになる高級感も備えている。燃費以外はいずれの項目も高得点。いちばんバランスが良かった。

そんな、ほぼ死角のないバランスの良さのおかげで、リセールバリューにも期待できそう。

「確かに。そうなるとますますフルモデルチェンジが楽しみになりますね。もう10年以上作っている車でしょ? そろそろじゃないかと噂も出ていますからね」。



そうなると、プラドは乗り継いで行きたい車?

「そうですね。世代を超えて乗り継ぎたいと思います。こんな気持ちは初めてじゃないかな。ただ、できればハイブリッドを出してほしいですけど(笑)」。

動画はコチラ!



佐藤ゆたか=写真 籠島康弘=文

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