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2022.10.14

ファッション

大人と「Supreme」のいい関係。歴史を理解しつつ「パッと見、そうとわからないデニムで」



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俺流!Supreme●’90年代に世界中を駆け巡ったシュプリームの衝撃。当時を知る世代は今、シュプリームとどう向き合っているのか。ファッション業界人が考える、大人のシュプリームの流儀。
シュプリーム(Supreme)の誕生は1994年。設立者は、マンハッタンのスプリング通りにあった伝説的ショップ、ユニオンNYCのオーナーで、ショーン・ステューシーのパートナーでもあったジェームス・ジェビアである。

そのプロダクトはもちろん、“攻めた”プロモーションはあらゆるマスメディアの耳目を集め、国内外で話題をさらうと、’98年には日本に初上陸。一大ムーブメントを巻き起こした。

高畑 誠さんも、若き日にその喧騒を間近で目にした一人。スケーターでもなければストリートに傾倒してきたわけでもない彼にとって、シュプリームはどんな存在なのか。

高畑誠●サンディニスタ、ニューバランス、ニューエラに加え、『うどん専門店 麺散』や『マスタードホテル』など、他ジャンルのプロモーションを請け負うアウンPRのプレスチーフ。

高畑 誠(41歳)●国内外のファッション・ライフスタイルブランドに加え、『うどん専門店 麺散』や『マスタードホテル』など、他ジャンルのプロモーションを請け負うアウンPRのプレスチーフ。


最初の出会いはほろ苦い記憶とともに……

ジェームス・ジェビアが手掛けたショップの内装は広々とした空間で、組み立てたスケートボードを試し乗りできるようなスペースも中央に設けられていたとか。

そこが地元のスケーターたちの溜まり場になるのは必然で、あらゆるクリエイターたちもここを媒介に集ってきたという。「そんな背景にもグッとくる」と高畑さんは言う。



「僕は本気でスケートをやっていたわけではなく、休日に公園でちょろっと滑らせるぐらい(笑)。スケーターや、そのカルチャー特有のノリやファッションって若い頃はすごく憧れるじゃないですか。

NYのシュプリームのお店を見てもそうですよね。店内で購入したデッキをその場で組んで試し始める。そんな自由で開放的な空間は、当時の自分にとってすごく刺激的でした」。

その数年後には日本に上陸。海外初店舗となる代官山店が1998年にオープンし、当時は多くのキッズの注目の的に。当然、高畑さんもそのひとりだ。



「シュプリーム代官山で初めて買い物をしたときのことを思い出しますよね。たしか20歳だったと思います。上京してまだ間もない頃で、しかも話題のショップ。そりゃあ、めちゃくちゃ緊張するじゃないですか。

当然ショップスタッフもカッコいいし、いい意味でちょっと怖さもあった。試着なんてする気持ちの余裕がなかったのを覚えています(笑)。でも買い物はしたいから、オドオドしながらもやっとの思いでスウェットを買って帰ったんですよ」。

ところが……。



「家で『やべー、シュプリームで買い物しちゃったよ〜』って封を開けて中身を見たら、シュプリームと一緒に販売されていた違うブランドのスウェットでした(笑)。

それでも、自分が知っていたブランドのものだったんですけどね。ただ、純真無垢な少年はそのとき、めちゃくちゃ落ち込みました」。


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