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写真展から得た、表現者としての喜び

これまで、どのくらいシャッターを切ってきたのかを問うと、「軽く1万枚は超えていると思います」とはにかむ。数ある中から特に思い入れのある作品を厳選し、展示しているのが今回の写真展だ。

展示している写真は、引退した翌日に撮ったものばかり。写真展のタイトル『引退後の景色』も自身で考えた。



「札幌ドームのマウンドに立って戦えたことは僕の誇りですし、それはこれからも変わりません。

ただ11年間のプロ生活の中で、実は北海道にいた時間はそんなに長くないんです。ファイターズの二軍施設が千葉の鎌ヶ谷にあるのですが、僕はそこにいた時間がずっと長かった。

だから僕は、札幌ドーム以外の北海道をあまり知りませんでした。いろいろな場所へ行ってみたかったですし、北海道の魅力を僕なりに伝えたいという思いもあった。『僕は素晴らしい場所で野球をやっていたんだよ』ということを皆さんに伝えたかったんです」。

『引退後の景色』というタイトルは、今まで見えなかった景色という意味でつけたという。

ソニーストア 札幌のスタッフが、斎藤さんがソニーのデジタル一眼カメラ αシリーズを使用していることを知ったことがきっかけで開催された今回の写真展。

ソニーストア 札幌のスタッフが、斎藤さんがソニーのデジタル一眼カメラ αシリーズを使用していることを知ったことがきっかけで開催された今回の写真展。


写真展には印象的な作品がいくつも展示されているが、“引退後”というタイトル自体もまた印象深い。

斎藤さん曰く、今回のテーマは“道”なのだそう。



「引退から1年ほどが経ち、自分のセカンドキャリアにおける方向性のようなものがおぼろげながら見えてきました

だけど、写真を撮り始めた頃(引退直後)は、自分の人生はどうなっていくのだろうという不安しかありませんでしたね。そのときの気持ちを写真とタイトルに込めました」。

「多くの方の心を動かし、素晴らしい企画となった」と写真展の開催に関わったソニーストアのスタッフも絶賛。来場者から寄せられた多数のメッセージからも、斎藤さんが多くの人に愛され、活動に注目が集まっていることを感じさせる。

「多くの方の心を動かし、素晴らしい企画となった」と写真展の開催に関わったソニーストアのスタッフも絶賛。来場者から寄せられた多数のメッセージからも、斎藤さんが多くの人に愛され、活動に注目が集まっていることを感じさせる。


これまで、札幌を皮切りに銀座、名古屋、福岡と計4カ所で写真展を開催してきた。そして9月24日(土)からは、フィナーレとなる大阪展が始まる。

斎藤さん自身は、当初写真展を開くことになるとは想像もしていなかったとか。今は「本当にやってよかった」と実感を込めて言葉を紡ぐ。



「来場していただいた方からのコメントが本当にうれしかったですね。僕と同じことを感じたという方もいましたし、自分も先が見えなくて辛いけれど、この写真を見て頑張ろうと思ったという方もいらっしゃいました」。



ほかには、「野球を続けるか悩んでいる我が子に、どうアドバイスすればいいか分からなかったけれどヒントをいただいた気がします、というコメントもいただきました。わずかでも誰かの心を動かすことができたらいいなと思います」。


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