写真が、野球の環境作りに少しでも役立つならば
各都市で開催した写真展は毎回大盛況。
なかには、写真を購入したいという人まで現れた。
写真展で行われたトークショーの様子。
「皆さんに僕の写真を見てもらえる機会をいただけただけでも光栄なことなのに、そのうえ欲しいと言ってもらえるなんて……正直恐縮しています。誰かの役に立つのなら、それもひとつの方法としてはいいのかもしれないと思いました。
野球の未来作りというビジョンに賛同してもらえて、
野球少年・少女の環境作りに少しでも役に立てればと考えています。写真と野球は別のジャンルですけど、そこがつながったら野球界にとって素敵なことですし、僕がその架け橋になりたいです」。
写真を撮ることで新しい景色を目にし、気付きを得てきた斎藤さん。写真によって次なる夢、そして目標に一歩ずつ近づいていけると実感した瞬間だった。
「日本の人口が減っている今、野球人口を増やすのは難しいと思うんです。しかも、
野球人口を増やすということは、ほかのスポーツ人口を減らすことにもつながります。
それよりも僕は、今野球をやっている人たちがもっと楽しめるようにしたい。『野球ってすごくいいね』と思ってもらうにはどうしたらいいかを考えています」。
「僕がいちばん寂しいと感じるのは、
子供たちが野球に触れないまま大人になること。野球に少しでも触れてつまらないと感じたら、それはそれでいいと思います。
野球アンチがいてもいい。野球は応援と野次があってこそ成り立つスポーツですからね(笑)。
無関心がいちばん良くないのです。
例えば、野球は知らないけどカメラや写真は好きという子が、僕の写真展に来て、この人は元プロ野球選手だったと知る。僕の写真が野球に触れるきっかけになれたらうれしいです」。
斎藤さんは、実業家として、写真家としての次の目標をこう語る。
「本当におこがましいですが、
写真家としては斎藤佑樹だからこそ伝えられる写真を撮っていきたいなって思っています。
実業家としては、野球の未来を作る手助けをしていきたい。そのためには収益も出さないといけませんし、僕自身も子供たちのために投資していきたい。
まだまだ道半ばですが、多くの方々の話を聞きながら、より良い方向へ進んでいけたらと考えています」。
そう語る彼の目には、もう引退直後に感じていた不安の影は見られない。“斎藤佑樹ベースボールパーク”が完成する日もそう遠くはないかもしれない。
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9月24日から大阪での写真展がスタート!
札幌を皮切りに銀座、名古屋、福岡と計4カ所で開催してきた写真展が、9月24日(土)からはフィナーレとなる大阪で幕を開ける。斎藤佑樹が見た「引退後の景色」を一望できる、最後のチャンスである。
[写真展詳細]
斎藤佑樹 写真展「引退後の景色」
期間:9月24(土)〜10月13日(木)
場所:ソニーストア 大阪住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスエント4F
時間:11:00~20:00料金:無料トークショーアーカイブ動画はこちら 斎藤佑樹のセカンドキャリアは今●昨年、プロ野球人生に終止符を打ち、実業家としてのセカンドキャリアを歩み始めた斎藤佑樹さん。彼が想い描く未来予想図、そしてボールの代わりに手にしたカメラの魅力。