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シュピーレンのキッチンスペース(筆者撮影)

シュピーレンのキッチンスペース(筆者撮影)


また、室内後方に備える家具もスリムな標準タイプ、電子レンジ上部収納型、冷蔵庫収納型など、多様な仕様を用意する。

さらに新型の家具では、16Lの薄型冷蔵庫とシンクを搭載しており、標準タイプよりも8cm大きくなるが、使い勝手がいいことで好評。さらに冷蔵庫なしで大きめのシンクのみの仕様も製造できるなどで、顧客のさまざまなニーズに対応する設定を持つ。

なお、さまざまなオプションが装備された展示車両(1人掛けバタフライシート仕様)の場合で、価格(税込み)は377万4100円~399万4100円だ。

同社の担当者によれば、8ナンバーの構造要件に対応した仕様は、これらの装備をベースに、「蛇口や給排水タンクなどを追加する」仕様になるという。しかも標準タイプの家具や新型の薄型冷蔵庫搭載家具などは、サイズを変えずに設計しているため、室内の広さや使い勝手はほぼ変わらないそうだ。

現在、新作は、量産に向けた設計や開発の最中。一体どんな仕様ができあがるのか、楽しみにしているユーザーも多いのだという。

一番人気の8ナンバー仕様、規制緩和で今後どうなる?

日本RV協会の調査によれば、2021年の国内キャンピングカー販売売上合計額は、新車・中古車を合わせて、過去最高の635.4億円(対前年比109%)に達したという。

また、売上構成の中で最も成長が著しいのは、8ナンバーのキャンピングカーで、新車・中古車ともに対前年比で100%を超える成長率(新車122.4%、中古車108.6%)だったという(出典「キャンピングカー白書2022」)。

需要が拡大する8ナンバーのキャンピングカーだが、今回の規制緩和により、市場の成長がより加速する可能性は十分にある。8ナンバー車には、マイクロバスやトラックをベースにした大型モデルもあり、常設のベッドやダイネット、高級家具などを備え、かなり豪華な装備が魅力だ。

だが、そうしたモデルは、価格も高く、1000万円以上するモデルも多い。また、大型のボディは、キャンピングカー初心者や運転に不慣れなユーザーにはハードルも高い。

一方、ここで紹介したコンパクト商用バンなどをベースにした純正ボディ仕様ならば、普段使いや仕事でも乗れるし、駐車場などの心配も少ない。しかも8ナンバー車にできることで、より使い勝手がよくなり、キャンピングカーとしてのステータスも味わえる。

もちろん、大型の本格的キャンピングカーを「いつかは所有したい」と憧れている層も多いだろう。だが、まずは手はじめに、コンパクト商用バンなどをベースとしたモデルを選ぶエントリーユーザーが増えることは、十分ありえる。

そう考えると、このジャンルのモデルは、今後さらに需要が高まることが予想される、注目株のひとつといえるだろう。



平塚 直樹 : ライター&エディター
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記事提供:東洋経済ONLINE

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