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コンパクトなシンクも装備する(筆者撮影)

コンパクトなシンクも装備する(筆者撮影)


ところが今度は、普段使いなども考慮すると、4名乗車できる仕様がほしいというユーザーの声も多く出てきた。「ベッドの広さか、乗車定員か」。純正ボディのままという前提だと、どちらかを選ぶしかなく、その対応にはかなり困っていたのだという。

そんなとき、耳にしたのが今回の構造要件に関する規制緩和の話だ。8ナンバーのキャンピングカーは、横向きシートも認められているため、ベッド兼シートとして、停車中にダイニングのソファとして使えるなど、メリットは大きい。

そこで、上記のように小型のギャレーを装備し、8ナンバーの構造要件をクリアさせた。すると冒頭で紹介したように、製造が追いつかずバックオーダーを抱えるほどの反響があったそうだ。

成長を続けるキャンピングカー業界といえども、ライバルは多い。そんな中、規制緩和に対してスピーディに対応し、他社に先んじて市場ニーズをつかんだヒット商品を生む。まさに同社の新型モデルは、そうした成功例のひとつといえるだろう。

豊富なバリエーションが魅力のフロットモビール

タウンエースバンをベースにしたフロットモビールのシュピーレン(筆者撮影)

タウンエースバンをベースにしたフロットモビールのシュピーレン(筆者撮影)


一方、同じくタウンエースバンをベースとした「シュピーレン」というモデルを展示したフロットモビール。展示車両は、4ナンバー登録仕様だが、これは冒頭で紹介したとおり、8ナンバー仕様にした新作のデモカーが「すぐに売れて」しまい、現在製作中だからだ。

シュピーレンのベッド(筆者撮影)

シュピーレンのベッド(筆者撮影)


シュピーレンの主な特徴は、まず、後席シートが4パターンから選べることだ。乗車定員3名の「1人掛け仕様」、乗車定員4名の「2人掛け仕様」、乗車定員5名の「3人掛け仕様」、乗車定員4名の「1+1人掛け仕様」を用意する。

なかでも人気なのは、室内を広く使える1人掛け仕様で、今回のショーにもこの仕様が展示された。

シュピーレンのバタフライシート(筆者撮影)

シュピーレンのバタフライシート(筆者撮影)


後席シートを前向きと後向きにできるバタフライシートを採用するこのモデルは、シートを後向きにすればダイネットにでき、1人掛け仕様の場合で2名の就寝が可能な就寝スペースを持つなど、多様なアレンジができることが魅力だ。


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