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ちなみに、より車体が小さな軽自動車の商用バンなどの場合は、純正ボディのままでは新しい構造要件でも8ナンバー化は難しいようだ。

スズキ「エブリイ」やダイハツ「アトレー」などをベースとしたモデルのメーカー数社に話を聞いたが、要件をクリアできるキッチンなどは、外装を大型化しない限り、スペースの問題で設置できないという。

やはり、今回の規制緩和でメリットを受けるのは、主にコンパクトサイズの商用バンのようだ。

就寝スペースと乗車定員を両立させたステージ21

ステージ21のタウンエースバンをベースにしたリゾートデュオ ルクシオ プロ(筆者撮影)

ステージ21のタウンエースバンをベースにしたリゾートデュオ ルクシオ プロ(筆者撮影)


では、今回取り上げる2社では、実際にタウンエースバンをベースとして、どんな仕様を製作したのだろう。

電子レンジやエアコン、冷凍冷蔵庫、シンクなどがまとまった最後部(筆者撮影)

電子レンジやエアコン、冷凍冷蔵庫、シンクなどがまとまった最後部(筆者撮影)


まず、「リゾートデュオ ルクシオ プロ」という新型モデルを出したステージ21。このモデルの特徴は、180cm×137cmという、大人2名がゆったりと橫になれる大型ベッドを備えていることだ。

ベッドは、対座式のダイネットにもなり、車両最後部のハッチゲート内側には、電子レンジや15Lの冷凍冷蔵庫、エアコン、それに新要件に対応した20cm×30cmのコンパクトな角型シンク付きギャレーを備える。乗車定員は4名で、就寝定員は2名。価格(税込み)は2WD車で396万4000円、4WD車424万7000円だ。

180W薄型ソーラーパネルと走行充電器による2系統同時充電システムなど、充実した標準装備を持ちながらも、車両価格がリーズナブルなことも人気の理由だといえる。

同社の担当者によれば、8ナンバー登録にするメリットは、「乗車定員4名を確保しながら、就寝スペースを広くとれること」だという。

横向きシートを採用したソファー(筆者撮影)

横向きシートを採用したソファー(筆者撮影)


タウンエースバンをベースにした同社の従来モデルは、外装を純正ボディのままにすることもあり、4ナンバー登録だった。だが、その場合、後席シートは前向きか後向きにする必要がある。

これは、普通免許で運転できる10人乗りまでの車両は、法規により横向きシート(車体の前後方向と同じ向きのシート)が禁止されているからだ。

だが、前または後向きのシートでは、構造上、就寝スペースを広くできないというデメリットがある。

このクラスでは、夫婦2名などで旅するユーザーも多く、就寝定員2名というニーズが高い。そのため、同社の従来モデルでは、寝返りもうてない狭いベッドよりも、快適な就寝スペースを優先。乗車定員を前席のみの2名とすることで、荷室に余裕を持たせ、大人2名がゆったり橫になれる広いベッドを装備していた。


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