ステージ21が手掛けたタウンエースバンをベースにしたキャンピングカー(筆者撮影)
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。 「注文が殺到し、製造が追いつかない」。
嬉しい悲鳴を上げるのは、神奈川県相模原市を拠点にキャンピングカーを製造する「ステージ21」だ。担当者は、同社の新型モデルについて「売れ行き好調」だと語る。
また、長野県上高井郡のメーカー「フロットモビール」では、「開発した新作が売れてしまい、新たに製作中だ」と、イベントに展示する新作車両がないほどだった。
これら2社に共通するのは、従来からコンパクトサイズの商用バンであるトヨタ「タウンエースバン」をベースに、外装をほぼ純正のままにしたキャンピングカーを販売し、人気を博していたことだ。
いずれも従来は、ノーマル車両と同じ4ナンバー登録の車両として販売していたが、2022年4月1日から8ナンバー登録のキャンピングカーに関する構造要件が緩和され、新しい規定に対応したモデルをいち早く製造。
これらがユーザーから大きな反響を得ているというのだ。
規制緩和で、キャンピングカーはどう変わる?
今回の規制緩和は、キッチン部における天井の最低室内高が低くなったことと、ベッドの就寝定員を少なく設定できるようになったことが大きな注目点だ。
詳しくは後述するが、この規制緩和により、今まで8ナンバー車にできなかった車両でも、正式には「特種用途自動車等」と呼ばれるキャンピングカーの登録が可能となった。
ここでは、施行されたばかりの新規定をビジネスチャンスと捉え、新作を手がけた2社を「東京キャンピングカーショー2022(2022年7月23~24日・東京ビッグサイト)」で取材。
それぞれが考える市場ニーズの高まり方、それらに基づいて開発した新製品の特徴などを紹介することで、キャンピングカーの新たなトレンドに迫ってみたい。
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