「弊社の看板娘」とは…… 涼しくなってきたとはいうものの、夏の間にたっぷりと浴びてしまった紫外線。肌のシミやくすみを定着させないためにもスキンケアは欠かせない。
そんな美容液を研究、開発している看板娘がいる。訪れたのは横浜のみなとみらい駅。
▶︎この記事の画像ギャラリーを見る 「完然無添加」のスキンケア商品にこだわる長寿乃里。
社内にお邪魔します。
そこはかなりポップな空間。
自由な発想を生み出すための演出だという。
会議室で看板娘を発見。
さっそく、ご登場いただきましょう。
「よろしくお願いします」。
こちらは原料美容液100%のスキンケアブランド、「unito」プロジェクトを担当する郡司加奈子さん。
背景には生産者と消費者への思いを込めた販促物。
加奈子さんは栃木県の那須烏山市で生まれ育った。
「最寄りはSuicaも使えない駅で、小学校が遠かったので切符を買って20分ぐらい電車に乗って通っていました。
大好きな看板犬がいた駅前のコンビニも幼稚園のときに潰れてしまって。遊びは自然の中です。蔦で木から木に飛び移ったり、泥団子を作ったり、牛舎の牛に会いに行ったり、田んぼで産まれたカエルの卵を探したりという感じで」。
近所を散歩すると放牧中の牛に会える。
運動が苦手で、かけっこもマラソンも常にビリ。普通に中学校に上がると体育祭に出ないといけない。それが嫌だったので中学受験をして体育祭がない宇都宮の中高一貫校に進学した。
「いきなりの都会でびっくりしました。駅ビルで100円を入れてプリクラを撮ろうとしたら400円だったこととか。
校則が厳しくて、制服の上着は腕まくりをしたらいけないんです。通学バスだったので街に出て遊ぶこともしないで、駅の待合室で勉強していました」。
中学時代の思い出は3年生のときに短期留学したカナダのバンクーバー。ホームステイ先のホストファミリーは厳粛なカトリックの家庭で、食事の前にはみんなで手をつないでお祈りの言葉を言って、お父さんとお母さんがキスをしてから食べ始めたそうだ。
近くのビクトリアにある美術館に行った際のクラスの集合写真。
お母さんが化粧品マニアだったこともあり、高校卒業後の進路は漠然と化粧品関連と決めていた。
日本で唯一、化粧品開発コースがある大学に進学。美容成分の研究をする一方、「運動が苦手というコンプレックスを克服したい」という思いでテコンドー部の活動にも打ち込んだ。
夏合宿の最終日の練習後の写真(左端が加奈子さん)。
「足の皮がめくれるまで練習したので、テーピングを貼っています。部員はほとんど男子でしたが、勧誘を頑張ったので女子も徐々に入部し始めて、卒業の頃は男女比が半々になりました」。
就職先の決め手は、お母さんが長年使っていた長寿乃里の「然 よかせっけん」と「霧島の深層水」。
親戚が作ったお米や野菜をもらったりという環境で育ったこともあり、作り手の顔が見える関係を大事にしている同社が「素敵だなと思って」入社した。
お母さんが長年使っている「然 よかせっけん」。
入社したのは2016年。
最初は商品開発部に配属されて、化粧品ではなく複数の商品を開発する部署。さまざまな雑穀をオフィスに持ち込んで、ブレンドを変えて炊飯器で実験したりもした。
雑穀エキスパートの資格を取得し、メキメキと頭角を表す。
日本雑穀協会主催のアワードに出品し、「デトッ穀ベーシックブレンド」で金賞を受賞。
長寿乃里の人気シリーズ、雑穀の「〇ごと」。
さらに、もともと関心があった化粧品も扱うようになり、2年前から現在の美容液ブランドの「unitoプロジェクト」に携わっている。
「いちばん印象に残っているのは『酒粕グルコシド』。酒粕は栃木県の江戸時代から続く酒蔵さんで、完全無添加の製法で作られ、昔から蔵に住み着いている酵母が自然と木の桶に降りてきて発酵すると酒粕ができるんです」。
左から2番目が加奈子さんも愛用している「酒粕グルコシド」。
「完然無添加」は、長寿乃里の登録商標だ。
自然の知恵を用いた抽出方法や保存方法を選択し、防腐剤、鉱物油、石油系界面活性剤、合成香料、合成着色料、エタノールを含まない化粧品にこだわっている。
馬の胎盤も原料になります。
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