「弊社の看板娘」とは…… 仕事を終えて家に帰ったとき、玄関で犬や猫が出迎えてくれると嬉しい。しかし、集合住宅ならペットを飼えない物件のほうが多い。ならば、熱帯魚などの観賞魚でもよいのではーー。
そんなことを考えながら向かったのは横浜市西区にある「よこはま金魚」。
▶︎この記事の画像ギャラリーを見る 平沼橋駅から徒歩5分ほど。
ここは、熱帯魚の中でも「ショーベタ」と呼ばれる魚を扱うショップだ。
店内には看板娘の姿。
さっそく、ご登場いただきましょう。
「よろしくお願いします」。
髪の色が印象的なこの方は、店長代理の浅井春華さん。
「『ベタ』という観賞魚はタイの国魚で、その中でもコンテストに出すような個体を『ショーベタ』といいます。うちは『ショーベタ』の専門店なんです」。
横須賀出身の春華さんは、7歳上のお兄ちゃんの後ろについて遊ぶ子供だった。
『ファイナルファンタジー』をやり込んでいたお兄ちゃんと。
実家では子供の頃から金魚を飼っており、身近に魚がいる暮らしが普通だった。
大きめの水槽でさまざまな種類の金魚を飼っていた。
さらに、小学校の頃に図鑑で見たサメにハマり、以来、魚に魅了される人生を送っている。高校を卒業後は海洋系の学科がある専門学校に入学。水族館の飼育員を目指す。この頃から髪にさまざまな色を入れ始めた。
「きっかけは『やっちゃお』というノリ。これまで、紫、青、緑、金、ピンクといろんな色にしてきました。紫がいちばん長いんですが、いまの色は紫が落ちて水色っぽくなった感じですね」。
「紫がいちばん好き」だそうです。
魚の中でもいちばん感動したのはアクアマリンふくしまで見た「ヨシキリザメ」。
「世界でいちばん美しいサメと言われているんです。サメは怖いというイメージがありますが、こんなにかわいいのに全然違うじゃんって。しかも、フカヒレとかカマボコになって人間に食べられちゃう……」。
魚に夢中の生活を送っていた頃、専門学校に「よこはま金魚」のアルバイト求人が来た。コロナ禍で水族館への就職が難しく、進路に悩んでいたところ、ベタにも興味があったため、「やるやるー」と思って応募したという。
かくして、半年間のアルバイト期間を経て入社。最初の1年間は久里浜の倉庫で働いた。
「たまに社長が来ますけど、基本的にはひとり勤務です。一日中、タイから仕入れたベタのメンテナンスをしていました。仕事内容は水換え、出荷作業、通販用の写真撮影とかですね」。
中国から輸入した金魚の入荷処理中。
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