「弊社の看板娘」とは…… 暑い日が続く。室内であればエアコンを効かせれば快適だが、室外だと……。
そんな需要に応えて「空調服」なるものを開発した会社がある。
▶︎この記事の画像ギャラリーを見る 向かったのは浮間舟渡駅からほど近いオフィス。
会社名はズバリ「株式会社空調服」。
「空調服」とはファンから服の中に風を取り込み、汗の気化熱で身体を冷やす暑さ対策製品だ。
オフィスを覗くとーー。
看板娘、発見。さっそくご登場いただきましょう。
「よろしくお願いします」。
こちらは、営業部物流管理課に所属する東 優貴さん。東京・江東区で生まれて5歳から板橋区に移り住んだ。
「外で遊ぶのが好きな子供で、ゴーカートがある『交通公園』やポニーの引き馬ができる『こども動物園』によく行っていました」。
さらに、お母さんが都外のいろんな場所にも連れて行ってくれたという。
8歳の頃、2歳下の妹とディズニーシーで撮った写真。
小学校からバレーボールを始め、高校2年生まで続けた。
「強くなりたくて一生懸命練習しました。小学校で都大会に出場、高校は茨城県の強豪校で寮生活。リベロという守備専門のポジションで、ひたすらレシーブを受ける日々です」。
アンダーで受けられないアタックはオーバーで止める。相手は外側を狙ってくるため、小指が弾かれる。
「その繰り返しで小指の筋が切れちゃったんですよ。当時はすごく痛かったけど、いまは痛みはなくなりました。でも、こんな感じで小指だけ開いたままです」。
手を広げると自然にこうなるそうだ。
しかし、高校2年生のとき、バレーボールへの情熱が一気に冷める。そんなタイミングで目にしたのが、学校内に置いてあった留学案内。中でもフィジーに心を奪われた。
「知らない国に行ってみたかったので、すぐに申し込みました。フィジーってインドの次にインド人が多い国なんです。現地ではインド人のご家庭にホームステイをしていました」。
短期留学生活が始まった。
いちばん左の、ベージュのトップスを着た女性が一家のお母さん。
このお母さんが下校後にチャパティと紅茶を用意してくれて、その日学校であったことや日本の家族のことなどをたくさん話した。
「手作りのチャパティが本当に美味しかったんです。紅茶も、それまで飲んだことのないくらい香りが良くて。インド人の家庭だったので、インド原産の本場の紅茶だったのかもしれません」。
優貴さんが絶賛するチャパティと紅茶。
家から高校までは徒歩30分。バスがあると聞いていたが、じつはバス停も時刻表もない。ぼんやりと待っていてもバスは一向に来ない。
家に帰ってお母さんにその話をすると「いつ来るかわからないから歩いたほうが早いのよ」と言われたそうだ。
高校では日本文化を伝える授業をやらせてもらった。
「私が選んだのは書道とけん玉です。書道といってもみんな漢字がわからないので丸とか数字とか自由に書いていて面白かったですね」。
時間はあっという間に過ぎた。今でも大切に持っているのは、高校でできた女友達のロシーからもらった手紙。
そこには「友達になってくれてありがとう、またフィジーに来てね」と書いてある。
ロシーはよく学校の案内をしてくれた。
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