タイはベタ王国。大規模なファームがいくつもある。
タイで有名なショーベタを生産しているファーム。
販売するのはベタの中でも改良を重ねた「ショーベタ」。同じ品種でも形や柄はすべて違うため、コレクション性も高い。
ベタはこのような状態で輸入される。
ベタは日ごとに体調が変わるので世話が大変。
店頭では毎日オープン前に300個以上の水槽すべての水を替えガラスケースを磨く。飼育下では2、3日に1回の水替えでも飼育可能だという。
メンテナンスで使うカップは毎回きれいに洗浄。
春華さん1年間の倉庫勤務を経て、現在の本店で働くことになる。今回推薦してくれた社長の虎岩健吾さんは言う。
「倉庫勤務の1年間で春ちゃんがメンテナンスしたベタは1万匹以上でしょう。熱帯魚屋さんや問屋さんの中でも日本でいちばんと言えるかもしれません。
こういう出で立ちなのでバイトと思われがちですが、いざ話してみるとベタに関する知識の深さに皆さん驚きます」。
看板娘に全幅の信頼を寄せる虎岩さん。
さらに、アルバイトから社員に登用した理由について、こう語る。
「当時、DIYで熱帯魚の水槽を置く棚を作るという雑誌の取材がありまして。ホームセンターで撮影するということで、バイト時代の春ちゃんにアシスタントで来てもらったんです。
まだ学生で右も左もわからないのに、周りの大人に混じって自分の役割をわかってちゃんと仕事をしてくれました。これはすごいなと」。
ベタの特集を組む熱帯魚専門誌の『アクアライフ』。
完成時の棚。
さて、そんな春華さんに店内で泳ぐショーベタについて解説をいただこう。
頻繁に水を変える必要があるショーベタの管理に、最適なサイズの水槽。
とにかく色合いが美しいのだが、ガラスで反射するため撮影が難しい。
自分が写り込んでしまう。
数分間、奮闘したもののあきらめました。以下、きれいに撮るために日々練習しているという春華さんの写真をご覧ください。
「ジャイアントプラカット プラチナレッドドラゴン スノー」。
ちなみに、ジャイアントはベタの中でも最も大きい品種でお値段は2万円前後。
春華さんが「めっちゃかわいい」と言うのは「クラウンテール イエローゴールドダンボ」。こちらの個体は1万8000円だ。
尾びれが細く切れているのが特徴。
ベタは同種のオスへの攻撃性が高く、「死ぬまで闘う魚」とも言われているが、フレアリング(エラ蓋と全身のヒレを広げて、体色をぎらつかせる行動)の姿が美しく、個性が豊かなため人気がある。
隣の水槽のベタ同士がフレアリングする姿は美しいが、体力の消耗が激しいので仕切り版を挟んでいる。
「カチョン」と呼ばれるタイの工芸品のような棒を近づけると、すぐにフレアリングしてきた。
しかし、虎岩さんいわく、「手に寄ってきたりする魚は多いですが、こうやってコミュニケーションが取れる魚は珍しい」。
店内には、取り引きをしているタイのブリーダーがベタのコンテストで3位に入賞した際にくれたというトロフィーも飾ってあった。
本場のコンテストで3位入賞というのはものすごい栄誉なのだ。
サメから入ってベタにたどり着いた春華さん。最後に読者へのメッセージをお願いしますね。
水槽もコンパクトだし、リビングなどで飼うと充実した日々が送れるのでは。
[取材協力]よこはま金魚www.chatuchack.com