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2022.08.27

ライフ

アーティスト・田村大さんが伝えたい言葉「迷っている時間だけ遅れる。挑戦しているときが最強」



当記事は「The Wordway」の提供記事です。元記事はこちら(第1回第2回第3回)。

「昨日の自分を超える」をテーマに各界のトップランナーの言葉を音声とともに届けるメディア『THE WORDWAY』。音声を楽しみたい方はオリジナル版へ。

今回のアチーバーは、スポーツをテーマにしたイラストで世界から注目を集めている、アーティストの田村大さん。

田村さんは、学生時代バスケットボールに熱中し、高校ではインターハイでベスト8、大学でもプレーされました。大学3年時に幼い頃から好きだった「絵」の世界で生きていくと決意すると、卒業後に専門学校に入学。

20代後半までは一般企業でデザイナーとして勤め、商業施設などで似顔絵を制作する会社に転職しました。7年間で3万人以上の顔を描き、2016年には似顔絵の世界大会「ISCAカリカチュア世界大会」で優勝。その後、プロバスケットボール選手の絵がSNS上で注目され、18年に独立。

現在は、スポーツ選手だけでなく高級ブランドとのコラボなど様々なプロジェクトに携わりながら、アートの世界にも進出するなど、活動の幅を広げています。

道なき道を切り開いてきた田村さんの「WORD」から一歩を踏み出すエネルギーを見つけてください。

言葉①「何かを習得する時、習得が目的ではなく、それで何がしたいかまで想像を膨らます」

Q:田村さんが注目を集めるきっかけとなった「イラスト」と「アート」。2つの表現方法をどのように使い分けているのですか?

イラストは、僕にとって「お客様ありきの仕事」で、クライアントが実現したい世界感やイメージを、いかに形にするかを大事にしています。

アートの活動の方はいかに自分の世界観に引き込むか。なので、買う方の顔が見えていない中で、多くの方の感性に引っ掛かるような、届くような絵を自分が描きたいように描いて引き込んでいく。そんな風にイラストとアートを住み分けて活動しています。



Q:田村さんが世間から注目を集めるきっかけは、躍動感のあるバスケットボール選手の「似顔絵」でした。デザイナーとして勤めていた会社を辞めて「カリカチュア」の世界で勝負しようと思ったのはどのような流れだったのですか?

少年時代に、バスケットのNBAで優勝したTシャツとか見ると、すごくユニークな絵が描かれてたんですよ。それを思い出して、「これ好きだったな」と感じたタイミングで、偶然、海外の似顔絵の作品を見て、昔のNBAの記憶とがバチっと来たんです。そこで、やりたいなって。

Q:なかなか一歩が踏み出せずに、思いや考えばかりが先行する人には何が必要だと思いますか?

僕が絵を描いている目的は「人と出会うこと」なんですよ。だから多くの人に出会って自分の価値を高めていくっていうのが目的で、その為に絵を描いている。

だから皆さんが何か習得したい時に、習得が目的になっているとしたらそこまでで、それを持って何がしたいかまで想像が膨らんでいれば、それを逆算することで、身に着けていくものも変わるかもしれないですよね。



Q:2016年に似顔絵の世界大会で優勝し、転職から7年後には独立。絵で生きていくという道を選んだ過程で、どのような目標を設定していたのです?

最初は、人を描いていくにはどうしたらいいかと考えたんです。じゃあ技術が足りない、あと実績も足りないなと思って、まず「世界一を獲ろう」と。

独立を視野に入れていましたし、「死ぬまで絵で生きていく」という実現したい未来があったので、その為の「世界一」って感じでしたね。まず3年目でその大会に出るとか、そういうのを1つずつ遂行していった結果、7年目で世界一をもらって、独立した感じですね。

Q:独立後の具体的な目標はあったのですか?

独立して最初に立てた目標は「NBAと仕事をする」ということでした。もちろん、最初はどうやったらなれるか分からなかった。じゃあどうしようって、算数で日本一になった幼馴染みといろいろな戦略を立てていたら、楽天さんがNBAとオフィシャル契約を結んだ次の年だったんです。

じゃあインスタを頑張ってフォロワーを増やして、「フォロワーが多い」「NBAの絵もたくさん描いている」っていう武器があれば見てもらえるかなと思って。



Q:結果はどうだったのですか?

独立したのが2018年1月なんですが、3月が(楽天の)三木谷さんの誕生日だってことが分かったんですよ。思いっきりアプローチの為に描いて、当日ポストしたらフォローしてくださったんです。

チャンスだからとDMを送ったら、三木谷さんはすぐに繋いでくれたんです。それで、5月からもうNBAのお仕事がスタートしたんです。

Q:アーティストとして技術を追求する姿勢と、自己実現するためのビジネス的な面を、どのように線引きしているのですか?


絵が苦しくなる人は絵を描くことが目的なんですよ。僕はその先に実現したいものがあって、それが実現すると嬉しいから描いてるんで。だから描くことが苦しくても全然良くて。

「楽しく絵を描きなよ」とかって言うじゃないですか。それが趣味ならいいんですけど、それで生きていかないと、どこかで絵を描くのを断念しなきゃいけないんで。自分の目的である「死ぬまで絵を描く」為にはそうせざるを得ないという感じですかね。


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