ロールス・ロイス ファントム シリーズⅡ
当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら。 ロールス・ロイスが売れている。2021年の販売台数は5500台を上回った。これは同社史上最高の記録で、現CEOのトーステン・ミュラー・オートヴェスが就任した13年前と比較すると約5倍の数字となる。それも、継続的に値上げをしているのに、だ。
「顧客の平均年齢は43歳。理想的な年齢だ」とミュラー氏は語る。ロールス・ロイスといえば成功者のクルマ、中でも“おかかえ運転手つき”の“ショーファーカー”のイメージも強く、オーナーの年齢層は高いかと思いきや、その実態はだいぶ異なる。
その要因は、車種の拡充だ。2016年に2ドアのクーペ「ドーン」を、2018年にはニーズの高まるSUV「カリナン」を発売するなど、「自分で運転したい」層に応えたことが大きい。また、2016年から展開する「BLACK BUDGE」と呼ばれる黒にこだわったシリーズが特に若者に受けているという。
不動の最高峰
それでもやはり、ロールス・ロイスといえば「ファントム」だ。ブランドの最高峰として、もっといえば“世界最高のクルマ”として頂点に君臨し続けている。常に完璧を求め、改良が繰り返されるなか、2022年5月、8代目ファントム・シリーズIIの新型が発表された。
6月、そのローンチを記念して、南仏で各国メディアを集めたイベントが開催された。テーマは「ファントム・ランデブー(Phantom Rendezvous)」。モナコを見下ろすメイボーン・リヴィエラ・ホテルを拠点に、世界屈指のリゾート地コート・ダ・ジュールで、ファントムのあるライフスタイルを体験するというものだ。
実は、ロールス・ロイスはコート・ダ・ジュールに縁がある。アーティストや富裕層がこぞって集うようになった20世紀初頭、創業者の一人であるヘンリー・ロイス卿がこの地に別荘を建設。毎年冬を過ごし、ときにイギリスからエンジニアやデザイナーを呼んで、クルマづくりに取り組むこともあったという。
ヘンリー・ロイス卿
その歴史ある地で感じられる、ファントムの世界観とは。今回、それを知る手助けとして9つの体験が用意されており、Forbes JAPANは、アートとワインの2つのプログラムに参加した。
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