コンパクトカーは移動の“道具”として選ぶことが多いため、見た途端に「一生コイツを手放さない!」と思えるような特別な出合いはない……と思ってない?
いやいや、ありますよ。コラボによって生まれたこんなスペシャルな4台とか!①いちばん小さいフェラーリ!?
アバルト695トリブート・フェラーリ
小さくて可愛いフィアット500(チンクエチェント)。それだけで十分パートナーの筆頭候補なんだけど、かつて500のチューンナップ版のアバルト500の性能を高め、しかも「フェラーリ」の名を冠するアバルト695トリブート・フェラーリがあった。
フェラーリとアバルトのダブルネームモデルだ。
2011年に世界限定1696台で販売され、日本には150台が輸入された。1.4Lターボは最高出力がベースとなったアバルト500の135psから180psに高められ、アバルトとフェラーリの名が刻まれた専用エンブレムやキーホルダー、ナポリの老舗トラモンターノが製作した専用トラベルバッグが2個付いてきた。
その後日本のみ「695 トリブート・フェラーリ”トリブート・アル・ジャポネ”」なる、フェラーリ限定色のビアンコ・フジを纏ったモデルも50台追加された。
つまり日本で販売されたフェラーリとのダブルネームモデルは計200台。ちなみにイタリアではフェラーリがメンテナンス等で顧客の車を預かった際に、このモデルを代車として提供したとか。
もう10年前のモデルだけれど、今でも中古車市場で約300万円から見つけることができる。
今後アバルトとフェラーリの両ブランドを背負うモデルなんて二度と出てこないだろうから、コンパクトカーでも走りにこだわりたい人には、究極の1台かもしれない。
②アストンOn theトヨタ
アストンマーティン シグネット
トヨタがかつて販売していた、軽自動車よりも小さい全長約3mのiQ。
これをベースにして、V8やV12という大きなエンジンを搭載するモデルしかなかったアストンマーティンが、「顧客の普段の足に」と開発したのがシグネットだ。
1.3LのエンジンやCVTはトヨタ製のままだが、同時期のアストンマーティン同様のデザインにリファインされ、インテリアの素材もアストンマーティンと同様のものが用いられ、消音材の追加で静粛性も高められている。
しかも、こうした徹底した“アストンマーティン化”を施すため、トヨタはわざわざ日本からiQを本国イギリスの自社工場へ搬送し、ボディ外板やインテリアなどを一度バラして、職人が一台一台手作業で仕上げていた。
日本では2011年から販売され、価格はiQの約3倍の475万円。
しかし、わずか2年ちょっとで生産は終了。今ではプレミア価格がつく激レア車になったトヨタ製アストンマーティン。
ちなみにメーカーオプションだけでは足らなかった顧客が個人オーダーした、世界で1台だけの4.7L V8エンジンを搭載したスペシャルモデルもあるとのこと。
この車体にV8エンジン……知らずにアクセルを踏むと、とんでもないことになりそうだ。
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