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③乗るグッチ
フィアット500 by グッチ

フィアット500 by グッチ
フィアット500 by グッチ。ボディカラーはブラックとホワイトの2色のみ。ハッチバックの500は日本では300台が販売された。
小さくて可愛いフィアット500(チンクエチェント)はファッション業界からも熱い視線を集めていた。2009年にディーゼルとのコラボモデルが登場したかと思いきや、2011年にはグッチ仕様車も発表された。
それがフィアット500 by グッチだ。

これはイタリア統一150周年とグッチ創設90周年を記念して両ブランドが手を組んだスペシャルモデルで、2012年までの2年間限定で販売された。

グッチと名乗る以上はちゃんとデザインされた500を作りたいとばかりに、開発は当時のグッチのクリエイティブ・ディレクターだったフリーダ・ジャンニーニが自ら指揮を執ったという。
シートのヘッドレストには型押しの「GGロゴ」が入り、シートベルトもグッチのストライプとなる。
グッチのロゴがボディにあしらわれたり、グリーンとレッドのストライプが入るのはもちろん、レトロ調デザインのホイールにも「GGロゴ」が入れられた。
オープンカーである500Cはボディではなく幌にグッチのストライプが入る。こちらは日本で100台販売された。
現在でも中古車で500なら100万円以下から、オープンカーの500Cは200万円以下から見つけることができる。
着るでも持つでもなく“乗るグッチ”。ただ華美なだけではなく、高い品質から来る重みや存在感を讃えた1台は、グッチファンと500ファン両方の気持ちをしっかりとわかった異業種コラボの良作だ。
 

④実はロールス・ロイス?
ミニ インスパイアード バイ グッドウッド

ミニ インスパイアード バイ グッドウッド
ミニ インスパイアード バイ グッドウッド。旧型ミニのクーパーSがベース。ドアの付け根に小さく「MINI INSPIRED BY GOODWOOD」のアルミニウム製バッジが備えられている。
イギリスのコンパクトカーの代表格といえばミニだが、それを同じくイギリスの超高級ブランドであるロールス・ロイスが手を加えるとどうなるのか?
出た答えが2012年に世界限定1000台で発売されたミニ インスパイアード バイ グッドウッドだ。
グッドウッドとはロールス・ロイスの本社があるイギリスの地名。「バイ ロールス・ロイス」とこれみよがしじゃない点は、さすがイギリス紳士。
スピードメーターはロールス・ロイスと同じ書体に変えられ、天井はロールス・ロイス同様最高級のカシミヤがブレンドされた素材が採用されている。
外観はフツーのミニだが、実はこのボディカラー、本来はロールス・ロイス車にのみ使用が許されているダイヤモンドブラックメタリックという特別色。
そしてドアを開ければロールス・ロイスの世界が炸裂する。
何しろインテリアを担当したのはロールス・ロイスのインテリアデザイナー。ロールス・ロイスに使われるレザーやカシミヤといった贅沢な素材が、大胆にミニに落とし込まれているのだ。
車の中とは思えないような、毛足の長いフワフワのラグが備わる。
同じイギリスブランドの奇跡のコラボレーションは、同じBMWグループだからこそ実現できた。日本に何台入ったのかは不明だが、 記事作成現在でネット検索すると1台が、約230万円で販売されている。
 
籠島康弘=文


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