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③『ハンドメイズ・テイル』

Huluプレミア「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」 シーズン1~4 Huluで独占配信中 © 2021 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.

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【あらすじ】
アメリカでクーデターを起こし、奪った領土に誕生したギレアド共和国。夫や娘と離ればなれになり、ギレアドに捕らえられた主人公ジューンは、子供を生むための侍女として司令官の家庭に配属される。行動を極限まで制限された監視下の世界で生き抜くジューンの姿を描く。

過去20年でもっとも奥行きのあるドラマ

──『ハンドメイズ・テイル』はどんなドラマですか?

日本ではそんなに知られていませんが、アメリカでは超話題の作品で、多くの賞を受賞しています。とにかくすごく面白い! シーズン4まで配信されていて、シーズン5はアメリカのHuluで9月から配信なので楽しみです。

──どんなところが面白いのでしょう?

アメリカでクーデターが起こり、ギレアド共和国っていう国がアメリカ国内で成立するんですが、ギレアドはキリスト教原理主義で軍国主義。女性は職に就けないし、仕事もできない、財産も没収されるし、本も読めません。いつの時代の話?って感じですが、時代設定は現代なんですね。

Huluプレミア「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」 シーズン1~4 Huluで独占配信中 © 2021 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.

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──多様性に敏感なアメリカでその設定は興味深いですね。

そうなんです。男尊女卑、男性優位に逆戻りした現代の世界で、女性たちがどう逆襲するかっていうストーリーなんです。

環境汚染や性感染で世界的に出生率が低下するという設定も現代っぽくて、ギリアドも子供を生むことが最優先事項。各家庭にかならず侍女(ハンドメイズ・テイル)、つまりお手伝いさんがいて、家の主人である男性と性行為をして、子供を生まされるんですよ。

しかも、性行為をするときは妻の前でやらなきゃいけないというルールもあって。ギレアドのそういう儀式なんかが、知らない扉を開いているような気がして面白いですね。

──侍女は、やっぱり位が下なんですか?

最下層です。子供を生むマシーンですよね。主人公のジューンは、ギレアドの司令官の家に配属されて子供を身ごもりますが、拉致されてギレアドに連れてこられる前にすでに結婚して、娘を生んでいます。夫や子供と再会することだけを目標に、その執念だけでジューンはなんとか逃げようとするんですよ。

Huluプレミア「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」 シーズン1~4 Huluで独占配信中 © 2021 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.

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──逃げるのは難しいんですか?

ギリアドは身分制で、超監視社会です。服の色で身分がわかるし、逃げる人を狩るハンターという存在もいる。規則を破れば殺されて死体が街にぶら下げられるという世界の中、ジューンは戦略を立てて、侍女という立場ながら上へ上へとのしあがっていく。

そして、侍女のリーダー的存在になっていきます。だからこそ仲間を置いて自分だけ逃げるわけにはいかないという、皮肉な展開にもなるわけですが。これほどまでに主人公の幸福を願う作品はないくらい。とにかく「ジューン頑張れ!」って心の底から祈る作品です。

──特におすすめの点はどこですか?

物語の奥行きでいったら、ここ20年で僕の中で一番です。本当にトップクラス。近未来ディストピアながら、今、どこかで起こっているかもしれないことをリアルに感じさせてくれる作品です。

あと、男性と女性がボーダーレスになっている現代においても、やっぱり男性が認識できていない男性の特権ってあると思うんです。それを改めて知る機会というか、教訓をキャッチできる作品にもなるんじゃないかな。

今僕らが享受している幸せというのは、すべて、自由から始まってるっていうことも痛感すると思います。


海外ドラマはとにかく長いのが印象だが、コトブキさん曰く、その長さこそが海外ドラマの醍醐味なのだそう。

「僕は海鮮チャーハンが好きですが、あぁもうすぐ食べ終わっちゃうなって毎回思います。でも、ドラマならそれが明日も明後日もずっと続くわけじゃないですか。長ければ長いほど楽しめますよ」。

せっかくまとまった時間が取れるこのお盆、さっそく気になったドラマを試してみよう!

ぎぎまき=取材・文

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