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⑤ もしも家族が流されてしまったら「浮力体」を投げ入れる!



もし実際に、家族や周りの人が流されていることに気づいた場合、我々はどう動けばいいのか。「助けに向かった人が溺れてしまった」というニュースも多いが、果たして正解は?

「とにかく近くにある浮きそうなもの(浮力体)を投げてあげることです。オススメは、大きなビニール袋で、中に衣類やタオルやお菓子袋など、柔らかくて軽いものを詰め込み、先端を縛る。こうやって“浮力体”を作り、浮いている人に投げましょう。袋なら割と周りにありますし、つかまりやすいので便利です。

一刻も早く助けたいからといって、後追いで海に飛び込んで救助にいくことだけは絶対にやめてください。二次災害の可能性が高まり、とても危険です」。

そのほか、浮力体になりうるものとしては、ペットボトル、サッカーボール、発泡スチロール、クーラーボックス、ランドセル、バケツ……などがある。ぜひ覚えておこう。

もちろん、すぐに助けを呼ぶことも重要だ。

「近くにライフセーバーがいれば救助を求めましょう。船での救助が必要な場合は118番に電話してください。海上保安庁に繋がります。もし、まだ陸から近いところにいれば、119番で消防に通報した方が素早く対応することができます」。
 

注意事項ばかり確認していると、気が滅入ってしまいがちだが、事前に知識を身につけてさえおけば、リスクは随分と減らすことができる。

最後に、田村先生からひと言アドバイスをいただこう。

「水場に近づく際は、必ずライフジャケットを装着すること。そういう基本を守ったうえで、水と親しんでほしいと思います。海には陸にはない体験が待っています。皆さんにとって海での思い出が素晴らしいものになりますように、身の安全を守っていただくことが私の願いです」。

田村先生、ありがとうございました!

田村祐司●東京海洋大学准教授。「マリンスポーツ実習における海洋体験が受講生に与える影響」など論文多数。水難学会の理事も務める。


原嶋鉄人=取材・文

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