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2022.08.16

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「DX JAPAN」代表・植野大輔さんが語る経営改革、“変化こそ唯一の永遠である”

DX JAPAN代表 植野大輔さん Age 45●1976年、兵庫県生まれ。2001年に三菱商事に入社。ボストンコンサルティンググループ、ファミリーマートを経て、’20年にDX JAPANを設立。好きなアーティストはX JAPAN。

DX JAPAN代表 植野大輔さん Age 45●1976年、兵庫県生まれ。2001年に三菱商事に入社。ボストンコンサルティンググループ、ファミリーマートを経て、’20年にDX JAPANを設立。好きなアーティストはX JAPAN。


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DX(デジタルトランスフォーメーション)による企業変革のアドバイザリー。植野大輔さんの仕事をひと言で表すとこうなる。ダイナミックでスマート。そして最先端の仕事、というイメージがある。

「巨大な組織とビジネスを大きく変えるという意味では、確かにダイナミック。ただ何をどう変えるかは企業によってまったく違います。つまりDXの戦略は“テーラーメイド”のようにならざるをえません。

スマートというよりは企業ごとの地道な、泥くさい実務の積み重ねなんですよ」。

DXの領域で植野さんの名が広く知られるようになったのは2019〜’20年頃のこと。ファミリーマートのアプリ「ファミペイ」を実質8カ月で立ち上げ、リリースからわずか8カ月間で500万ダウンロードを達成。まさに時代の寵児である。

そもそも植野さんがファミリーマートに入社したのは全社改革のため。店舗業務、アライアンス、マーケティングなどあらゆる改革に取り組んでいく中でデジタルの重要性を実感。そこから「ファミペイ」がスタートした。

企業内から生まれる“テーラーメイド”の戦略こそDXの本質なのだ。

そうして培った企業変革のノウハウを活かし、植野さんは’20年3月に自身の会社を設立。日本企業のDX推進に挑んでいる。

DX JAPANは2020年3月に設立。ファミリーマートで培ったノウハウを活かし、DX推進を目指す企業をサポート。経営トップに完全併走した、本質だけの直言をモットーとする企業変革のプロフェッショナルだ。植野さんはメディア出演や講演を多数手掛け、『トランスフォーメーション思考』(翔泳社)などの共著も。DXのオピニオンリーダーとして幅広く活動中。 有髙唯之=写真

DX JAPANは2020年3月に設立。ファミリーマートで培ったノウハウを活かし、DX推進を目指す企業をサポート。経営トップに完全併走した、本質だけの直言をモットーとする企業変革のプロフェッショナルだ。植野さんはメディア出演や講演を多数手掛け、『トランスフォーメーション思考』(翔泳社)などの共著も。DXのオピニオンリーダーとして幅広く活動中。 有髙唯之=写真


「覚悟を決めてDXに取り組む企業も増えてきましたが、まだまだ及び腰の企業も多い。また経営リーダーにデジタルの知識がほとんどない場合も。

DXとか小難しいことを言う前に、まずはパソコンやスマートフォンを最新機種に替えてみては、とアドバイスすることもあります。変われ!と社員に吠えるより、圧倒的にデジタル時代への臨場感が湧く、強烈なメッセージになります」。

 

太めのデニムをロールアップで。182cmという長身の植野さんだからこそ似合うコーディネイト。「最近はジャージーのような楽なボトムスをはくことが多かったので、 久しぶりのデニムは新鮮です。半袖ニットも色がいい。気持ちが明るくなる青ですね」。デンハムのヴィンテージ調デニムの生地は、原料に100%オーガニックコットンを使用。「サステナブルは今やビジネス競争のグローバルルール。日本企業もさらに意識を高める必要があると思います」。デニム5万600円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)、Tシャツ2万2000円/エストネーション 0120-503-971、靴7万7000円/パラブーツ(パラブーツ青山店 03-5766-6688)


リモートワークやオンライン会議をはじめとして、この2年余りで身近なDXも大きく進んだ。我々は「確かに便利になった」と実感している。

では企業にとってのDXは、何を目的に、どんな結果を目指せば正解なのだろうか。

「変革は手段にすぎないという人がいますが、違うなと思っています。変革は目的なんです。

岡倉天心(明治時代の思想家)は“変化こそ唯一の永遠である”と残しました。今こそこの意味を噛みしめなければ。つまり会社を永続させるためには、変革し続けるしかないんです。

さらに、変革は恐怖ではないと言いたいですね。“変わらないと会社が潰れる!”なんて言われたら社員は萎縮してしまう(笑)。シリコンバレーをはじめとした海外の企業は、変わることに対して面白さや喜びを感じているように思います。

DXは何年もかかる旅。楽しみながらやらないと、結局続かないんですよ」。

山川明男=写真 梶 雄太=スタイリング 竹井 温(&'s management)=ヘアメイク 加瀬友重、オオサワ系、髙村将司=文

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