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モノ選びの基本は「シンプルで長く使えるモノ」

バッグの中身もパパラッチさせていただいたところ、やはり「洗練されている!」のひと言。



「中身がゴチャゴチャとするのもイヤなので、ポーチ類を活用しています。

アクロニウム × バッグジャックのポーチには、筆記用具類を。メモ用のノートはマルジェラで、どちらも展示会で配られていたノベルティだったと記憶しています。

とくにこだわりはないですし、使い勝手に不満もないから、もうそのまま(笑)」。

「ロックステディ × ポーター」の名刺入れ(写真左)もブラック。手元に残るアイテムのカラーは黒が多くなっているという。

ロックステディ × ポーターの名刺入れ(写真左)と、これまたノベルティでもらったというエンダースキーマのレザーケース(写真右)。アイテムのカラーは黒が多くなってきたとか。


「スケジュール管理をgoogleカレンダーでするようになったので、手帳を持ち歩くこともなくなりました。充電ケーブルの類も持たないですね。オフィスや自宅に戻ればすぐケーブルに繋いで、常に満充電にしていますから。

こうやって見てみると、自分にとって必要なモノだけが残っています。年齢とともにそういう傾向がありましたが、コロナ禍を経て、それが加速しているのかもしれません」。


 
この傾向は普段のファッションでも同じ。シーズンごとの欲しいアイテムも減ってきていて、新たに買うというよりむしろ、愛用しているアイテムの買い替え頻度が増えてきたとか。

「シンプルで、長く使えるものを。その嗜好がより明確になってきているのかな。ライフスタイルにおいても、余計なことに手を出さなくなったような気がします」。



長く使えるものとは言いつつも、高級なレザーバッグではなくキャンバスを選ぶあたりが鷲頭さんならでは。

「使い込んで味が出るから、キャンバスのバッグが好きなんですよ。だんだんとくたびれていきますが、でもそこがいい」。


バッグにしても、荷物にしても、自分にとって必要なもの、本質的なものが残っていく。それでいっさい不自由がない。嗚呼、うらやましい!

荷物や携行するアイテムの取捨選択の機会を減らすことで、フットワークは軽く、思考は深く。ファッション業界ならずとも、鷲頭さんの仕事バッグから真似できることは少なくなさそうだ。

沼尾翔平=写真 礒村真介(100miler)=取材・文

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