アルファらしさがギュッとつまった「ミト」
アルファ ロメオ「ミト」(2009年5月~2018年10月)。中古車価格は約20万〜260万円。
全長約4mというアルファ ロメオの最小クラス、ミト。
「ベイビーアルファ」なんて呼ばれたほど愛嬌のあるルックスに、ボタンを押すとエンジンのレスポンスが鋭くなるとか、高級家具で有名なポルトローナフラウ製のレザーシートを装備するなど、ちっちゃなボディにギュッとアルファ ロメオらしさが詰め込まれた一台だ。
その後のブランド戦略の変更により生産が中止されてしまったけれど、もう二度とこの可愛い“ベイビー”が世の中に出ないんだなと思うと、愛着がさらに増す!?
女子人気も高かったけれど、アルファ ロメオらしく走っても楽しいところは腕に自信のある男子にも受けた名車。
VWの軽自動車的存在の「ルポ」
フォルクスワーゲン「ルポ」(2001年7月~2006年5月)。中古車価格は約10万円〜。
ゴルフの弟分であるポロが、少し大きくなって初代ゴルフぐらいのサイズなったというのは上述の通り。つまりさらに小さかった元々のポロのサイズが空白になり、そこで開発されたのがルポだ。
ちょっとした買い物へ、毎日の通勤に、なんて軽自動車感覚で乗れる輸入車というポジション。全長約3.5mと、サイズも軽自動車(3.4m)なみだ。
ゴルフの末弟にあたり、2人の兄貴同様、走りのグレードであるGTIも用意されていた。その後、このポジションはup!が受け継ぐことになり、ルポは一代切りでその役目を終えてしまった。
VWで最小クラス、一代限り、軽自動車みたいな輸入車、このいい意味の“非王道”感、グッとこない?
ピニンファリーナデザインの「106」
プジョー「106」(1995年4月~2003年6月)。中古車価格は約40万〜220万円。
一方、こちらはフランスの軽自動車的な、プジョーの106。日本では1.6Lを積む最上級グレードのXSi(マイナーチェンジ後はS16)のみ販売された。
大きなエンジンではないけれど、小さなボディでスイスイ走る感覚は気持ちいい。直線では多くの車に抜かれるけれど、コーナリングではじわっ〜と粘って曲がる「猫足」はもちろんプジョー車だ。
足回りの構造もほかのメーカーとの違いはないはずなのに、キモはそのセッティングにあったようで、当時のプジョーの職人たちにはその秘伝レシピがあったと言われている。
こんなに可愛い車なのに、当時のフェラーリ全車を担当していた名門ピニンファリーナがデザインした車というのも、また趣深いのである。
小さいけれどしっかりアメ車な「PTクルーザー」
クライスラー「PTクルーザー」(2000年7月~2010年12月)。中古車価格は約10万〜130万円。
1998年にダイムラー・ベンツ(現メルセデス・ベンツ・グループ)と一緒になってすぐにヒットしたクライスラー車が、PTクルーザーだ。
クライスラーがアメリカのビッグ3のひとつに成長した頃の、1930年代のアメ車を想起させるデザインが最大の特徴。しかもアメ車といっても、全長は約4.3mで現行型カローラセダンよりも小さいコンパクトカーなのだ。
そんなサイズだからV8ではなく、直列4気筒の2Lエンジン、だがそれで十分なのである。だいたいかっ飛ばすキャラではなく、のんびり流して走るのが似合う。
クライスラー「PTクルーザーカブリオ」(2004年7月~2010年12月)。中古車価格は約40万〜160万円。
オープンカーのカブリオもあり、そちらならウエットスーツとショートボードを載せて海沿いを走るのも、最高に似合うだろうな。