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2022.07.10

からだ

韓医学の目から鱗の“うつ病”対策。涙もろくなった、異性を目で追う回数が減ったは要注意!


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順風満帆に見えた有名人が自ら命を絶った──最近、そんなニュースに触れる機会が増えたのは気のせいだろうか。

コロナ禍における生活や価値観の変化が、多くの人の心身に何かしらの影響を与えているであろうことは想像がつくが、「それだけではありません。働き盛りであるオーシャンズ世代は、特に、精神的な部分が不安定になる傾向にあります」と話すのは、韓国スターや大企業のトップがこぞって通う「金昭亨(キム・ソヒョン)韓方クリニック」(韓国・ソウル)の院長、Dr.キム・ソヒョンだ。
話を聞いたのはこの人!

キム・ソヒョン(金昭亨)●韓方医。本草生薬研究院長。金昭亨韓方クリニック院長。専門分野は本草学。本草学者であった祖父と父から本草の英才教育を受けただけでなく、代々受け継がれた“家宝”ともいうべき臨床結果や研究結果をベースに、彼女独自の研究とデータ分析を重ね、効果の高い治療や韓方薬の処方をおこなっている。韓国・ソウル在住。http://s-clinic.com

キム・ソヒョン(金昭亨)●韓方医。本草生薬研究院長。金昭亨韓方クリニック院長。専門分野は本草学。祖母からホルモンに関する知識を、父親から本草について教え込まれた。受け継いだ“家宝”ともいうべき臨床結果や研究結果をベースに、彼女独自の研究とデータ分析を重ね、効果の高い治療や韓方薬の処方を行っている。韓国・ソウル在住。http://s-clinic.com

Dr.キムの祖母は産婦人科医で、韓国大統領の主治医を務める父親は韓方医という医療家系の3代目。自身も30冊を超える著書を出版したり、多くのメディアに出演したりと、名実ともに韓医学のスペシャリストだ。

今回は、感情の小さな変化に目を向け、その先に潜む病を見つけることができる韓医学の観点から、働き盛りの男性の心に影響を与える原因と解消法を聞いた。

韓医学の権威が“うつ病”を見極めるポイントとは!?



「『ありきたりなストーリーのドラマなのに、なぜか涙が溢れてきた』『街なかで、自分好みの異性を目で追うことがなくなった』『集中力が続かず、小さなミスが増えた』『以前より、好きなことへの興味や意欲がなくなった』……どれも、気に留めるほどでもないちょっとした感情や行動の変化のようにも見えますが、実は、うつ病の兆候であることも多いのです」。

一般的な西洋医学が、見える症状に対して治療を行う“対症療法”であるのに対し、韓医学は、生まれ持った性質や体質に合う食事やライフスタイルなどを続けていくことで、病にならない身体へと導く“予防医療”だ。

性質や体質は単に身体の傾向というだけでなく、気質(心)といった内面の傾向も含む。ゆえに、感情の変化を身体の変化の前兆として捉えることで、病の芽を先回りして摘み取ることができる。

韓医学は心と身体をトータルで見る、まさに“心身一体”の医学なのだ。

心身の変化を自覚するずっと前から性質に変化アリ

韓医学では、性別関係なく誰もが「陰陽」両方の性質を生まれ持っているが、男性の場合は、バランス的に優勢であるほうの「陽」、同様の理由で女性は「陰」とされる。

「しかし、その『陰陽』のバランスは20代後半から変化し始め、50歳前後には『陰陽』のバランスが逆転。『陽』の性質だった男性も『陰』が優勢になってしまうんです。

そうなると、考え方や行動にも変化が現れ、気を付けなくてはいけない病気も変わってきます」。

「陰陽」という概念になじみがなくてわかりづらいなら、「陰」を女性ホルモン、「陽」を男性ホルモンという言葉に置き換えると理解しやすいかもしれない。

「実際に、男性は20代後半から男性ホルモン(テストステロン)の量は減少し、50代になると最大値のときのほぼ半分となってしまいます。

30代半ばくらいまでは身体の不調も感じないし、感情や行動の変化を自覚することも少ないと思います。ですが、私のクリニックでも40歳を超えたあたりから『何かが違う……』と感じ始める人が多いですね」。

つまり、感情や行動が変わるのは「陰陽」バランスの変化であり、それらを引き起こすのは男性ホルモンの減少というワケだ。

「韓国の男性は、かかりつけ医を持っていることがほとんどです。しかも家族皆が同じクリニックに通うことも多いので、遺伝的傾向なども掴みやすいのが特徴です」(Dr.キム)。

「韓国の男性は、かかりつけ医を持っていることがほとんどです。しかも家族皆が同じクリニックに通うことも多いので、遺伝的傾向などが掴みやすいのが特徴です」(Dr.キム)。


「その証拠に、感情や行動の微妙な変化に気付いている人は、『アソコの勃ちが悪くなった』『筋力や持久力が落ちた』といった男性らしさを象徴する肉体的な変化を感じていることが少なくありません」。

「陰陽」の逆転は避けられないにしても、逆転するまでのスピードを緩やかにすることができれば、感情や行動をコントロールしやすくなり、うつ病になるリスクも抑えることができる

Dr.キムに、男性ホルモンの減少をサポートしつつ、「陰」に傾きかけている性質を改善する韓医学的ライフスタイルを教えてもらおう。


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