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言葉②「やりたいことがないというのは、甘え。やりたくないことを、やらないでいい努力をする」



Q:独創的な芸風の裏に、すごく緻密な準備があるという印象なのですが、ザコシショウさんにとって、そこは大切にしてきた部分なのですか?

売れてないくせに、明日オーディションだっていうのに、早い段階から、酒をかっ食らって、翌日に支障が出るくらい、がぶってがぶってベロベロになっちゃうような奴いるんですよ。

そいつらって絶対売れないよと思うんですよ。明日チャンスをもらって、そのチャンスも生かしきれてない状況で、よく寝れちゃう奴なんですよね。

僕だったら絶対にオーディションに受かりたいから、オーディションを受ける人が100人いるとすると、寝る時間は100位でありたいんですよ。1番に寝るじゃなくて100位で寝たいんですよ。そのぐらい準備万端で挑みたいっていうところですかね。



Q:今でも、準備への考え方は変わらないですか?

今の方が多分、用意するでしょうね。例えばドキュメンタルだってそうですもん。めちゃくちゃ不安で、例えば、用意したボケより多く用意して来る人がいたらどうしようって気持ちがいっぱいなので。

アドリブでやれる人って、松本さんとか(千原)ジュニアさんとか、そういう天才ですからね。アドリブもそこで生まれれば足しますけど、僕の用意したものプラス、アドリブだったら、アドリブだけの人よりもっといいじゃないですか。



Q:お笑いの世界に限らず、自分の中で「これだ」というものを見つけるには何が必要だと思いますか?

確実に好きなものってないですか? 人間、何か1つぐらい。それやりたい、仕事でこれやりたいなって思うのが素直な気持ちであって。それが全くないって人は、いないと思いますけどね。

結局ね、やりたいことがないっていうのは、甘えだと思いますよ。どうせ無理だろと思って、行動に移してないだけですよ。

本当に、本当に無理だったって言うなら仕方ないですけど。だったら第2希望のやつをやればいいだけであって。僕もそうですからね、結局。

Q:やりたいと思えば、その先には必ず「道」があると?

ないかもしれないですよ、そりゃあ。それはないかもしれないですけど、あるかもしれないです。(大阪にいた)吉本時代は同期とか先輩とずっと面白いことをやっていたけど、結局それを仕事に活かしきれてなかったんですよ。

でも、その大阪で培ったものはすごく大きかったし、それをうまく落とし込めたのが、東京に来てからの行動なのかもしれないです。ずっと吉本にいて、ずっと楽しいだけでは、それはなかったと思います。



Q:ザコシショウさんのように、諦めずに夢を追いかけ続けるためのアドバイスがあればお願いします。

辞めてしまったらもうそれまでっていうことですかね。だって好きなものですからね。

好きじゃないものをやるよりは、好きなものをやるほうがいいでしょう。やりたくないことを、やらないで済むための努力をしないといけないですよね。

Q:自分自身が「やりたい」と思うことを貫く勇気が、壁を乗り越える活力になるということですか?

そうですね。貫かないと。自分の中で面白いと思ってないようなことをやって、売れても、すぐ下火になる気がするんですよ。

自分の面白いって思うことは、どんどん浮かぶけど、お客さんに媚びて、これがウケるんでしょっていうものって、なかなか思いつきませんよ。そういうのにも素直になりたいですよね、やっぱね。そうじゃないとやっていけないですよ。

自分の芸に素直にならないといけないし、一般の人でもそうじゃないですか。自分のやりたいことに素直にならないとっていうところだと思いますね。



[Profile]ハリウッドザコシショウ●1974年2月13日生まれ。静岡県出身。血液型A型。1993年に静岡茶っぱとのコンビ「G★MENS(ジーメンス)」としてデビュー。ピン芸人として、2007年スタートの「あらびき団」(TBS)で活躍し、「キングオブあらびき」の称号を得る。2016年「R-1ぐらんぷり』優勝。Amazon Primeの「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」でも3度優勝。自身のYouTubeチャンネル「ザコシの動画でポン!」を連日更新している。


記事提供:The Wordway

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