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F1由来のAMG至高のスーパーカー

メルセデスAMG「ワン」

メルセデスAMG「ワン」


このところGクラスを電気自動車にすると宣言したり、ミニバンを投入したりしていたメルセデス・ベンツ。

そうなるとメルセデスAMG GTをはじめとしたスポーツカーはどうなる? とやきもきしていたところ、同社はいきなりとんでもないスーパーカーをぶっ込んできた。

最高速度352km/hに“制限した”という中身もスーパーだけど、見た目も往年のスーパーカーを彷彿させるメルセデスAMG「ワン」だ。



長いボンネットの下にエンジンを納めるメルセデスAMG GTとは違い、かつて日本人を熱狂させたスーパーカーたちと同じミッドシップレイアウト。

V型12気筒の代わりに、現在のF1の心臓部と同じハイブリッド(1.6Lターボ+モーター)をシート後ろに載せている。

ドアを上に跳ね上げるバタフライドアも、スーパーカー好きにはたまらない仕様だろう。



美しいボディラインは、見た目を良くするためではなく、ダウンフォースを得る目的で描かれている。

ボディが浮いて路面に伝える駆動力がロスしないよう、わずか50km/hからダウンフォースが働く、そんな機能から生まれた美的デザインだ。

フロントやルーフなどに設けられたエアインテークも、空力で車を路面に押しつけ、エンジンに空気を届けるためのパーツだが、この車の格好良さをグッと押し上げるデザイン的なポイントにもなっている。



F1マシンのような形状のステアリングや、2つのモニター、プッシュボタン等々インテリアも現代の“ザ・コックピット”。

座ったら誰でもその気になってしまいそうだが、最高出力1063psのモンスターだから、不用意にアクセルを踏むことは避けたほうがいい。



至るところにF1テクノロジーが搭載された、21世紀版スーパーカー。

モーターのみの走行から、レースで勝利するためのセッティングまで6つのドライブモードがあり、サスペンションもコンフォートとスポーツの2種類が用意されている。

地下駐車場へのスロープで顎を擦らないよう、車高を上げることも可能で、エアコンやパワーウインドウも備わるなど、日常使いももちろんOKだ。

3億円超の車両本体価格で275台の限定生産だが、どうやらこちらも既に完売らしい。新車では買えないけれど、人生で一度くらいは、乗ってみたいじゃないの!

籠島康弘=文

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