OCEANS

SHARE

パタゴニアのマインドにも深く共感するワケ

パタゴニア好きの根本は、なにもアイテムのクオリティだけではない。ブランドが長年持ち続けている思想や信念にもまた共感を覚える、と中山さんは語る。



「以前パタゴニアが、なんてことはない普通の日曜日に直営店全店を休業したことがあったんです。休日ですから、お店としたらアイテムを売りたいと思うのが普通じゃないですか。実はその日、25回参議院議員通常選挙の投票日だったんです。

『僕らには自然世界を壊滅させるか、あるいは僕らの住処であるこの美しい青い惑星を救うかの可能性がある』というイヴォン・シュイナードの言葉を引用し、公式Twitterで投票の呼びかけを行っていました。

そして、従業員たちも投票に行ってもらいたいということで店舗をクローズしたんです。とにかくすごいなと思いましたし、そのスタンスには共感しますよね」。



ほかに、こんなエピソードも。

「以前、自宅近くのショップに行った際、身体の不自由なスタッフさんが笑顔で接客してくれました。その光景はとても自然で、本当に素敵なところだなって感じましたし、パタゴニアはこういった取り組みが早かったと思います。

今は社会への貢献度も企業の存在価値を測る物差しになっていますし、そういう面でもパタゴニアは昔から最先端をいっている気がします」。

オシャレな新作をリリースすることも大切だ。ただそれは、住みよい地球や社会がベースにあってのこと。中山さんの話を聞くにつけ、そんな基本的なことを改めて考えさせる。

そして、率先して環境と社会の課題解決を実践しているパタゴニアが世界中から愛される理由も、また分かったような気がした。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。