▶︎すべての画像を見る 山下達郎、竹内まりや、大滝詠一、杏里……こういったアーティストの名前を見て、諸兄は懐かしいと思うだろうか。もしくはまったく聴いたこともないという世代もいるかもしれない。
今、こういった1970〜80年代に作られた“シティポップ”と呼ばれている日本の音楽が、世界中で注目されている。
シティポップとは、フォークや歌謡曲が全盛だった当時、洋楽に影響を受けて作られたポップスのことで、それが逆に今、アメリカやアジアで新鮮な音楽として受け入れられているのが面白い。
YouTubeや音楽ストリーミングサービスを通じて世界中で再生され、欧米の大物アーティストたちが日本の楽曲を引用して新たなヒット曲を生み出している。
The Weeknd「Out of Time」
全米2位の大ヒットを記録したThe Weekndのアルバム『Dawn FM』(2022年)に収録された「Out of Time」は、亜蘭知子が'83年に発表した「Midnight Pretenders」をサンプリングした曲だ。
『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社)
『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』の著書、栗本 斉さんによると、「シティポップの名曲が今になって受け入れられている理由は、メロディやアレンジはさまざまだが、主にサウンド面について語られることが多い。
しかし、シティポップは歌詞の世界観も特徴的。都会やリゾートを舞台に展開される大人の恋は、当時の若者にとって憧れの世界でもあった」とその魅力を話す。
そこで今回は栗本さんに、シティポップの人気曲から当時の恋愛観を読み解いてもらった。
語り手は…… 栗本斉(くりもと ひとし)●1970年生まれ、大阪出身。レコード会社勤務時代より音楽ライターとして執筆活動を開始。退社後、中南米放浪の旅へ。帰国後、開業直後のビルボードライブでブッキングマネージャーを務める。現在は、フリーランスで雑誌やWEBでの執筆、ラジオや機内放送の構成選曲などを行う。著書に『ブエノスアイレス 雑貨と文化の旅手帖』(毎日コミュニケーションズ)、『アルゼンチン音楽手帖』(DU BOOKS)、共著に『Light Mellow 和モノ Special』(ラトルズ)などがあり、最新刊『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社)が好評発売中。
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