実は希有なランドローバー「レンジローバー」
ランドローバー「レンジローバー」(2002年7月〜2008年2月)
貴族の狩猟の足として使われたプレミアムSUV、レンジローバー。一時BMW傘下に収まったランドローバー社は、その後フォードに、さらにタタグループへと変わっていった。
この3代目レンジローバーはBMWとフォードの端境期に生まれたモデルで、開発時点ではBMW傘下だったため、エンジンはレンジローバー用に改良されたBMWのX5のものを搭載してフォード傘下になってから販売された、今振り返れば希有なモデルなのだ。
ディスカバリー同様、こちらもラダーフレームから乗用車のような構造が採用され、乗り心地が格段に良くなった。一方で副変速機を備え、ローレンジを選択できるなど伝統の高い悪路走破性も備えていた。
なお2006年モデルからはジャガー製エンジンに切り替えられ、2008年3月からはレンジローバーヴォーグに名前が変わり2013年2月まで販売された。
ミリタリーライクな四駆、ジープ「ラングラー」
ジープ「ラングラー」(1996年11月〜2007年2月)
軍用車あがりの硬派な4WD、ラングラー。2000年代はTJ型と呼ばれる2代目が販売されていた。今でこそ5ドアのアンリミテッドがラングラーの主流だが、この頃は2ドアのみ。
ソフトトップと樹脂ルーフが用意され、どちらも戦地で素早く乗り込めて荷物を載せられることが由来のオープンモデルにできるなど、ミリタリー色が濃いモデルだった。
2ドアゆえ全長4mに満たないコンパクトなボディに4Lという大排気量エンジンを搭載。全幅も1740mmだから、ジムニーサイズに4Lエンジンを載せたようなもの!?
狭い日本の道も縦横無尽に走り回れるスパルタンな4WDだ。
フラッグシップらしい実力、ジープ「グランドチェロキー」
ジープ「グランドチェロキー」(1999年5月〜2005年6月)
チェロキーの上級モデルという位置付けのグランドチェロキー。
1999年に登場した2代目は、より乗用車らしい乗り心地を求めて、ラダーフレームではなくモノコックボディが採用されている。
レーザーシートを備えるグレードも用意されるなど、高級SUVとしての性格を高めたモデルだ。
4WDは、一輪でも路面を掴んでいれば進めるというクォドラドライブと呼ばれるフルタイム4WDシステム。2WD/4WDの切替をしなくていい利便性を備えつつ、悪路走破性も高いのは、やはりジープブランドのフラッグシップとしての矜持だろう。
たっぷんとした大きな本革シートに座ってV8エンジンを唸らせる、という乗り方が似合いそうな一台だ。