デリケートなエナメルの保管は慎重に
コチラも「エア ジョーダン 1」。
保管方法はレザーと同じで、水拭きしてから天日干しし、除湿剤とともにフリーザーバッグに入れるだけ。
ただし、他素材のスニーカーに比べて劣化しやすいため「余計なことはやらないほうがいい」と鎌本さんは話す。
「しばらく履かない場合もシュリンクフィルムで密閉するのは厳禁。そのまま3〜4年置いておくと、エナメルとフィルムが同化したようにくっついて取れなくなってしまいます」。
大切に保管しようと、エナメル用のクリームを塗ったりする人も多いが、それも好ましくないようだ。
「クリームをしっかり拭き取らないと部分的に変色したり、そこだけ色が薄くなったりするので、僕はやらない方がいいと思います。汚れを落とすのは水拭きだけで大丈夫。
エナメルは劣化すると表面がベトついてくるので、定期的に袋から出して、こまめに水拭きすることをおすすめします」。
スエードスニーカーにはラップを使え!
スエードスニーカーも、汚れを落としたあと天日干しするまでの手順は同じだが、フリーザーバッグに入れる前にワンポイントが。
鎌本さんが取り出したのは、どの家庭にもある食品用ラップだ。
「しばらく履かないスエードスニーカーはラップで包んでおくと劣化が防げます。お皿にくっつきにくいペラペラの安いヤツの方がスニーカーにはおすすめです」。
縦方向にも2〜3巻き。
包み方も簡単。縦・横それぞれの方向に2〜3回ずつ巻きつけるだけ。そのあとは除湿剤とともにフリーザーバッグに入れて保管する。
ラップはスニーカーの形が変わらない程度のテンションで、シューレースはつけたままで問題ない。
「簡単ですが効果は絶大です。昔、同じスニーカーで履いたあとに何もせずそのまま置いていた靴と、ラップを巻いて保管していた靴を比べてみたんです。
何もしないで置いておいたスニーカーは見事に黄ばんでましたが、ラップを巻いていた方は買った当時のまま。黄ばんだのはラップだけでした。この防御効果は結構すごいなと。
このゲルライト 3は、2008年に購入して数回履いていますが、ご覧の通りキレイな状態を保てています」。
なんとも優秀なラップだが、スエード以外のアッパーに巻くと、くっついて取れなくなるリスクがあるので、くれぐれもご注意を。
湿気が多い日本では、加水分解は避けては通れない。鎌本さん曰く、アメリカでは10年もつスニーカーも、日本では6〜7年で加水分解してしまうことがザラだという。
「スニーカーは本来、スポーツ用の靴。ソールに使われているTPUやEVAは、衝撃を吸収するために発砲させたり密度を抑えたりしているわけです。そのちょっとした隙間から空気中の水分が入り込むことで加水分解が起こる。それは避けようがないですよね。
ただこの保管方法を実践すれば、スニーカーを加水分解や黄ばみから守って長持ちさせることができると思います。やるとやらないでは4〜5年は違うんじゃないかなと」。
やっぱりスニーカーは履いてナンボだ。履くときの取り出しやすさも考えれば、このメンテナンス法はかなり実践しやすい。
汚れや黄ばみを経年変化として楽しむのもアリだが、いつまでもキレイに保ちたいのなら、ぜひお試しあれ。
加水分解のアレコレが満載!
今回訪れたのは……
「スニーカーショップ スキット東京・吉祥寺店」 色褪せない大定番から名作、さらには珍品まで多彩なスニーカーが揃う。中には国内未発表の貴重なモデルも。また、買い取りも随時行っている。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-18−1 D-ASSET吉祥寺 1F
電話番号:0422-47-6671
営業:11:00〜19:00
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