連載「
偏愛さんいらっしゃい!」とは……
「スキット」のオーナーとして、何よりひとりの偏愛家として数え切れないほどのスニーカーを手にしてきた鎌本さん。その中には、目にすることすら難しいツチノコ級の“レアモノ”も少なくない。
業界屈指のスニーカーハンターも唸る、秘蔵の三足を紹介しよう。
▶︎レアスニーカー動画も見てね! 話を聞いたのは……
「スキット」オーナー・鎌本勝茂さん
鎌本勝茂●現在は吉祥寺、大阪、仙台、福岡に店を構える「スキット」の大黒柱。18歳でスニーカー業界に足を踏み入れ、販売やバイイングを経験。そのキャリアは20年以上にも及ぶ。オリジンへの愛着はひとしおで、さらには眠れる名品を掘り当てる嗅覚と目利きにも秀でる。
【レア度★★★★☆】
世にも珍しい“4社コラボヴァンズ”
我々オーシャンズ世代にも馴染み深い「ヴァンズ」。
そのバリエーションは途方もなく、数多のコラボモデルもリリースしている。その中でもひときわ異彩を放つのがこちら。
2005年発売の「VANS SLIP-ON RAF SIMONS×COLETTE×COMME des GARÇONS」。
「コム デ ギャルソンとパリのセレクトショップ『コレット』が、以前、共同でお店を出したことがあったんです。
その際、ラフ シモンズのアーカイブを使ったヴァンズのスニーカーを、100足限定で発売していました。これは、その4社コラボの貴重なモデルです」。
3社コラボはたまに見かけるが、4社の名が並ぶのは珍しい。しかもこの豪華さである。たいそうスニーカー好きの間では騒がれてきたモデルだろうと思っていたら、実はそうではないようだ。
「確かにおいそれと出合えるモデルではないですし、そもそも2017年に『コレット』がなくなってしまった段階でもう二度と作ることはできません。
とはいえ、以前から注目されていたかというとそうでもないんです。評価されだしたのもここ6、7年のことです。それまでは『そういえばこういうのあったよね』ぐらいな感じだったんですよ」。
その変化は、ここ最近、ラフ シモンズの過去の作品が再評価されていることと無関係ではないという。
「コレット」は閉店してしまったが、クリエイティブ・ディレクターを務めていたサラ・アンデルマンは今もなお最前線で活躍中。彼女を交えた4社コラボが再びシーンに舞い降りたとき、この一足の価値も、青天井で上がっていくかもしれない。
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