ハワイの観光業全体では回復が見られるなか、日本人観光客を対象としているビジネスでは話がまったく異なる。
日系の旅行会社や航空会社はもちろん、観光ツアー、ウェディングのほか、その周辺の関連ビジネスまで、大打撃を受けた状態が長く続いている。
日本からの観光客を呼び戻すため、4月上旬、日本の旅行会社が加盟する日本旅行業協会の視察団がハワイを訪れ、ハワイの政府関係者や業界関係者と意見交換を行った。
また日本からの観光客をハワイに呼び込むため、ハワイ州知事は近く日本を訪問する予定だという。
出入国のハードルも低く
現在、日本からハワイを訪れるには、米本土同様、新型コロナの2回目のワクチン接種から14日以上が経過していることが求められる。
これを証明するために、公的機関が発行されたワクチン接種証明書の提示が必要となる。また日本出発の1日以内に、PCR検査を受けて、陰性証明書を用意しなければならない。
ニューヨークのJFK空港(2022年4月撮影、Getty Images)
日本帰国時には、出発72時間以内にPCR検査を受けて、陰性証明書を提示する必要がある。
ハワイには、ワイキキ内やショッピングセンター内などに、厚生労働省の指定フォーマットで陰性証明書を発行する医療機関が数多くあり、それらを利用できる。日本帰国後は、ワクチンを3回接種済みであれば自宅待機はなく、3回接種していない場合は、原則7日間の自宅待機が求められる。
コロナ前のように気軽ではないかもしれないが、隔離などのこれまでの厳しい規制を考えれば、大幅に緩和された。事前検査をパッケージに組み込んだハワイツアーも販売されており、ハワイ旅行はずっと身近になってきていると言えるだろう。
早速、ゴールデンウィークのハワイへのフライトは、満席に近い便も出ているという。2022年3月の日本からのハワイを訪れた観光客は、2019年同月比マイナス93.6%の4038人だったが、これが夏にはどこまで回復を見せるか、大いに期待したい。