言葉②「志を高く持ち、努力すれば叶うということを信じてやる」
Q:柔道を始めたのは5歳の時。警察官で柔道家だった父・明さんの指導が原点にあると思うのですが、大切にしてきた教えや言葉などはありますか? 中学生の時に、自分の実力を上げていく中で、父から「柔道をただやる、強くなるだけではなくて、人に感動を与える柔道を目指しなさい」ということを言われました。
その時は全然意味がわからなかったのですが、突き詰めていくと、それはやはり一本を取る柔道なんだと。
ある時、「柔道の魅力=技」だということを言われたことが、すごく私の中で印象的でした。私の柔道が、超攻撃型になっていったのはそれがきっかけだったんじゃないかなと思いますね。
Q:親子二人三脚の中で、「オリンピックで金メダル」という明確な目標はいつ頃立てたのですか? 一番のきっかけは5年生の時に、階段トレーニングを父と一緒にやっていたんですけど、ある日父に「俺はオリンピックで金取りたいんだ」「どんなことでも耐えるから、厳しく指導してくれ」と言ったんです。
Q:その夢は、00年のシドニーオリンピックで現実のものとなりました。金メダルを獲得するまで、自分自身を信じ続けていたのですか?
信じていました。最近言われる自己肯定力というものの大事さ、自分は出来るんだ、やれるんだという思いは、大きな力を与えてくれるものなんじゃないかなという風には思います。
振り返ってみると、本当に(そういう力が)あったなと感じます。
Q:周囲が可能性を決める必要もなければ、自分自身の可能性も自分で決める必要はないと? 人間の限界って、自分自身でここって定めた時点で、そこまでしか行かないんじゃないかなと思うところもあって。
目標、志は高く持っていき、そして努力していけば叶うということを、まずは信じてやることは大事なんじゃないかなと私は思います。
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