どれだけ年を重ねても、どれだけトレンドが変遷しても、僕らの根っこにあるのは、やっぱり大好きなアメリカンスタイル。
最近は、現行orヴィンテージを問わず、とりわけ“カレッジ”系に注目が集まっているのは、ご存じのとおり。
そうは言ってもアメリカは、僕らが思っている以上に複雑だ。「アメリカ格好イイ!」の向こう側に、ともすると見落としてきた何かがあってもおかしくはない。
そこに切り込んだのが、アメリカントラッドを牽引するラルフ ローレンだ。
多様な人種が生活する国の“ありのまま”を見つめ直すことで、新鮮ささえも感じさせるカプセルコレクションを名門HBCUの2校とのコラボレーションによりローンチした。
HBCUって、ご存知?
HBCUとは日本語で「歴史的黒人大学」と呼ばれるもので、かつて南北戦争時代よりアフリカ系アメリカ人が差別によって高等教育を受けられない時代に設立された高等教育機関のことだ。
このたびラルフ ローレンが締結したHBCUの2校とは、モアハウス カレッジとスペルマン カレッジ。
卒業生には、かの思想家マーティン・ルーサー・キング・ジュニアや映画監督スパイク・リー(ともにモアハウス)、作家アリス・ウォーカーや女優キャシー・デイビス(ともにスペルマン)などなど、錚々たる人物を輩出している。
この2校を含む複数のHBCUを総称して「ブラック・アイビー・リーグ」と呼ばれることもあるほど。なかなか日本では知られていないが、これらのカレッジから、ひとつのカルチャーが生まれているわけだ。
僕らが真っ先にイメージする“カレッジ”は、大概にして白人文化のそれで、こうした伝統あるHBCUが培ってきた文化を、見てこなかったとも言える。ラルフ ローレンは、そこに光を当てた。
モアハウス カレッジの学生たちをイメージしたメンズコレクション。
とにかくビジュアルをご覧あれ。格好イイ。うん、さすがラルフ。
彼らが纏ってきたウェアたちは、我々の知る“トラッド”的な要素を多分に含みながら、そこはかとない華やかさを含んでいる。
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