【5足目】ウエノ サクラ(2004年)
ヌバック素材のプレミアムレザーにピンクのアウトソールが映える。
アッパーに描かれた模様や、専用の収納ボックスなど、明らかにほかとは違う雰囲気を放つこちらのスニーカーの正体は?
「5足目は、通称“サクラ”と呼ばれているモデルを選びました。アッパーにレーザー加工で桜模様が刻印されていて、アートのような独特の存在感が特徴です」。
金のシューストッパーも豪華。
「ヒール付近に“UENO”の文字が刺繍されていますよね? このモデルはアメ横に拠点を構えるミタスニーカーズさんの提案で生まれ、
上野界隈のみで2004年に発売されました。当時の定価は2万3000円程度でした。
上野って、日本のスニーカーカルチャー発祥の地なんですよ。ヴィンテージとかが主流になる前、海外限定モデルなどは上野に行けばなんでも集まるという感じでしたから」。
木箱の中まで桜柄が入るスペシャル仕様だ。
海外での評価も高く、世界最大のスニーカー・ストリートファッションの祭典「コンプレックスコン(ComplexCon)」では、歴代のエア フォース 1の中で人気ランキング2位に輝く快挙を遂げた。
「日本人がつくったエア フォース 1のデザインには名作と呼ばれるものが多くありますが、サクラはその代表的なモデルですね」。
【6足目】「オフ-ホワイト」コラボ(2018年)
ミッドソールには"AIR"、インサイドには“Off-White™ c/o Nike® "AF1"の文字がブラックで刻印される。
TAKEIさんが選ぶ最後の一足は、人気ブランド「オフ-ホワイト」とのコラボ作だ。
「2010年くらいから徐々にコラボモデルが広がってきたのですが、デザインそのものより、コラボ相手にスポットが当たるようになりました。その
決定的な出来事が、オフ-ホワイトとのスニーカーです」。
インソールにはナイキとオフ-ホワイトのロゴが。
オフ-ホワイトのデザイナーだったヴァージル・アブローは昨年11月に逝去したが、彼がルイ・ヴィトン在籍時にデザインしたエア フォース 1が、サザビーズで35万ドル(約4000万円)で落札されたことは記憶に新しい。
「ヴァージルが最初にコラボしたこのモデルは、
エア フォース 1の35周年という節目を祝うべくお披露目されたものです。
ロサンゼルスで開催されたコンプレックスコンの会場限定で発売されたこともあり、入手難度が高く、いまも探している人が多いと思います」。
レブロン・ジェームズやケビン・デュラントといったNBAのトップスターをはじめ、クリスティアーノ・ロナウドなども愛用する本モデル。
類まれなる才能の持ち主が遺した貴重なエア フォース 1は、現代のカルチャーを築いた一足であり、たしかにコレクターならずとも手に入れたくなる。
◇
知るほどに魅せられるエア フォース 1の世界は、実に奥が深い。
「永久定番のエア フォース 1なので、これからも面白いモデルが出てくるはずです。ぜひいろいろなところにアンテナを張って、お気に入りの一足を手に入れてください」。
「May the AIR FORCE 1 be with you」とは……ナイキ「エア フォース 1」が誕生から40周年。万人を魅了する“フォースの魔力”に迫る。
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