スタイリスト 喜多尾祥之●1965年、東京・浅草生まれ。雑誌「ポパイ」でスタイリストデビュー。以後、俳優や雑誌、広告、CMなどを中心にディレクションも手掛ける。魔味探求家元。(instagram@kitaokitaosu)この日の着こなしはビッグフィットのBDシャツにシルクの真綿を使った着物風ネイビーアウターを羽織って。近所の移動はもっぱらこれ。羽織25万3000円/ビズビム 03-5468-5424、シャツは私物
「ネイビーという色はきわめて普通の色。ただ、ひと口にネイビーと言ってもそのトーンはさまざまで、多様なネイビーの中でどれが似合うか似合わないかのジャッジをしないで着る人も多かったりする」。
そう話してくれたのはスタイリストの喜多尾祥之さんだ。
「そもそもネイビーは、残酷なぐらい着る人の内面やセンスが滲み出る色だと思う。だから自分を隠したり武装したいという人にはオススメできない色なんだ。
逆に自分に合ったネイビーを着ている人は、すごく男性的で強くて艶っぽい。そんな観点でネイビーは、すごく魅力がある色だと思うんだよね。
例えば、制服に見る無垢さを持ち合わせるネイビーを大人が着ると、どこか少年っぽさが見え隠れすることがある。正統派に見えて実はヤンチャさも持ち合わせる、そんな塩梅がいいんだ。
よく人はギャップに魅了されるというでしょ、まさにそれ。普通の色だから周りと調和して突出しないのに、もともとの自力がすごいというのかな。
これ見よがしに着ている服をアピールするヤツって世の中には結構いるじゃない。対して控えめだけど内に秘める底知れないパワーのあるネイビーを着こなすヤツが、結局いちばんかっこいい。
『とりあえず黒でいいや』とは一線を画す前向きな感じもいいんだよね」。