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話を聞いてみると、所有している土地に電柱があると、電力会社から「電柱敷地料」という名目でお金がもらえるというのです。その土地に電柱があるということは、電柱を設置するための場所を電力会社に貸していることになり、賃貸料が入るというのです。その金額が電柱1本あたり年間1500円というものでした。

これも後でわかったことですが、普通、山林の場合の電柱敷地料は電柱1本あたり年間200~300円ですが、盛岡の山は山林なのに宅地扱いになっているため、1本で年間1500円がもらえるというのです。

電柱があると「電柱敷地料」がもらえる

電柱の存在を知らない人はいないでしょうが、それがあると「電柱敷地料」の名目でお金がもらえるということは、あまり知られていないかもしれません。

電柱は、大きく分けて2種類あります。1つは、電力会社が送電や配電を目的として設置するもの。もう1つは、NTTが通信用ケーブルを支持することを目的として設置するものです。その電柱を設置するための敷地を貸すことによって発生する賃貸料が「電柱敷地料」です。

その料金は、地目によって異なります。持ち分が100%の場合でみると、山にある電柱は1本あたり年間200円から300円です。宅地は1500円となり、田畑は1700円から1900円と高額になります。

電柱1本から入る金額はわずかですが、山には電柱がたくさん建っています。山を安く買うことができれば、利益は出る計算です。もちろん固定資産税など維持費もしっかり見積もっておかないと、結果的にマイナスになることもあるので注意が必要です。

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僕はこの一件以降、不動産会社に電話を掛けて、「この山なんですけど、電柱はありますでしょうか?」と聞いて回りました。しかし、応対してくれた担当者の口調は、ことごとく冷ややかなものばかりでした。

「電柱付きの山って、何ですか?」に始まり、「どういうことですか?電柱が欲しいんですか?山が欲しいんですか?」など、手厳しい反応がほとんどです。ときには、「そんな1500円くらいもらってどうするの?」みたいに、電話口で冷笑されることもありました。

それでもめげずに続けるうちに、たくさんの電柱付きの山に出会うことができました。その過程では失敗もあり、成功もありました。次回お話ししていければと思います。



永野 彰一:投資家
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記事提供:東洋経済ONLINE

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