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そこに戸建てがあるわけですから、合算すると免税点の30万円を軽く超えてしまうことは確実で、仮に山が20万円だとしたら、そこに1.4%の固定資産税がかかって、年間2800円の維持費が発生するのです。ここまでを理解してから、僕は不動産会社の人にこんな提案をしました。

「わかりました。戸建てと山を一緒に買います。ただし、山の維持費が年間3000円くらいかかりますから、その分を先にもらえませんか?」。

交渉の結果、3DKの広い戸建てと山を、販売価格の10分の1となる20万円で買うことができました。

これは後でわかったことですが、地方の物件について不動産会社に問い合わせると、「山も一緒にどうですか?」というケースは意外に多いように思います。僕の感触としては、3割くらいは山が付いてくるように感じています。

山の購入を通じて学んだ貴重なこと

この物件の購入を通して、僕は貴重なことを学びました。

山とセットで買えば、戸建てが安くなる可能性があるということです。逆に考えれば、売りに出ている山を探せば、その処分に困っている人が戸建てを安く売ってくれる可能性があるということになります。

僕は不動産情報サイトに掲載されている山の物件情報を検索して、片っ端から連絡を入れてみました。山を扱っている不動産会社に軒並み電話を入れて、こう聞いて回ったのです。

「この山ですけど、1円で売ってくれませんか?」。

「あぁ、なるほど。そうですよねぇ。確かに価値はない山ですけど、1円で売ったのでは、ウチの手数料が出ないなぁ」。

こんな反応が多かったように思います。それでもめげずに電話をかけまくったところ、1つの案件が浮上しました。2018年2月に岩手・盛岡市の山と出会ったのです。

その山は盛岡市の北部にあって、物件は付いていませんでした。100坪くらいの広さで、固定資産税評価額は24万円です。どうやら、その昔に原野商法で売られていたエリアだったらしく、かろうじて建っている水道のない家とかが残っていて、地目(土地の用途)は山林ですが、課税は宅地扱いです。

山の持ち主が不動産会社の親戚だった関係で、手数料のことも問題にならず、100万円の販売価格の山を1円で買うことができました。

盛岡の山を1円で買ってから約1カ月後、お世話になった不動産会社の担当者が慌てた様子で電話をかけてきました。

「実は、買っていただいた山に電柱が入っていたんですよ」。

相手が何を言っているのか、意味がわかりません。もしかすると、膨大な使用料を払えという話なのかと思って、一瞬、身構えました。

「永野さん、お金をもらえるみたいですよ。1500円」。


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