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2022.02.20

ライフ

世界の“ヤバ飯”を取材するプロデューサーの「“危険な場所”への旅で役立ったモノ」

「ハイパーハードボイルドグルメリポート」の取材で危険地帯へ訪れるときには、必ず防犯と紛失防止を意識した荷物選びをするように心がけています。

番組の性質上、踏み込むのは治安の不安定な場所や日本とは環境や文化の異なるエリア。

加えて僕の取材スタイルとして、取材対象者に余計な警戒心を与えないよう、また可能な限りフラットな立場で接したいという思いもあって単独行動が基本。

それゆえ、道具選びはとても重要です。

テレビプロデューサー 上出遼平さん Age 32
世界各地の“ヤバい場所”に潜入し、“ヤバい飯”をリポートする異色のグルメ番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」のプロデューサー。企画、演出を担当し、ロケ取材から撮影、編集まで番組制作の全過程を担う。’20年には同名の書籍を上梓。現在はさまざまな番組制作に携わる傍ら、同番組の新録版をSpotifyにて音声のみで配信中。

本来なら制作班と技術班に分かれ、複数の撮影スタッフとともに分担できる役割や荷物も、この番組のロケではすべて僕ひとり。しかも僻地の小国では空港設備が整っていなかったり、乗り継ぎによるロストバゲージも頻繁にあります。

そうした事前の調査や経験からバッグは機内に持ち込めるサイズのモノのみで挑むのがベスト。そういった意味でも愛用しているパックセーフのボストンバッグとデイパックは現時点で最も理想的なアイテムなんです。

「パックセーフ」のボストンバッグとデイパック。

「パックセーフ」のボストンバッグとデイパック。


パックセーフはトラベルセキュリティギアのパイオニア的なブランド。安全な固定物に据え付けが可能なステンレスワイヤーによる強固なロッキングシステムのおかげで、盗難への不安を払拭できます。

また内側にスキミング防止のポケットがあったり、旅先で役立つ機能が盛りだくさん。さらに生地と生地の間にメッシュ状のワイヤーが仕込まれており、ナイフで切り裂かれても中の荷物を盗まれないのが特徴です。

観光客に見えない、簡素なデザインも防犯面で意外と役立っていると思います。

キューベンファイバーを使った小物用のバッグ類。

キューベンファイバーを使った小物用のバッグ類。


次に必携な道具は、キューベンファイバーを使った小物用のバッグ類。こちらは引き裂き強度に優れ、何より軽量でコンパクト。

携帯性も高く、衣類を入れたり、突然の雨の際にカメラなどの精密機械をカバーする役割も担ってくれたりするので、助かります。

「マグライト」のLEDシリーズのモデル。

「マグライト」のLEDシリーズのモデル。


そしてマグライトのLEDシリーズのモデルも海外の旅で欠かせないギアのひとつ。キャンプや登山で愛用している方も多いと思いますが、そもそもはアメリカの特殊部隊や警察などが使用していたもの。

抜群の光量と、そのまま護身用の警棒にもなり、最悪の事態を想定したときの非常グッズとして役立ちます。

一脚。

ゴープロをセットした一脚。


また撮影時に欠かせないギアでいうと、ゴープロと相性抜群の一脚も必ず持参しています。

何の変哲もない普通の一脚なのですが、カメラを持っているとそれだけで警戒されるため、杖としてカモフラージュしています(笑)。

電子辞書。

電子辞書。


あと必携というわけではないですが、スリの多い国では気軽にスマホを取り出す行為も命取りとなります。

なので取材時に英単語を調べたいときには、電子辞書を活用しています。これが意外と便利なんですよ。

防弾ベスト。

防弾ベスト。


それから過剰な対策と思われるかもしれないですが、メキシコで購入した防弾ベストも必ず持っていくアイテムです。

インナーとして着られるのがポイントで、銃弾への対策というよりは刃物などで攻撃された際に貫通を防いでくれる。完全に護身用です。

コロンビアは銃器大国で、こうした本格的なギアが普通に買えるんですよね。ただこのベストは15万円ほどすることもあり、民間の人が手軽に買えるものではないですが(笑)。

渡辺修身、作木正之介、Taichi、椙本裕子、朴 玉順(CUBE)、高橋賢勇、CHO ONGO=写真 加瀬友重、髙村将司、小山内 隆、増山直樹、今野 壘、サトータケシ、早渕智之、礒村真介(100milier)、野村優歩=文

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