
長らく付き合っているデニムだけに、「俺は●インチしかはかないよ」なんて自分のサイズを決めてかかってはいないだろうか?
若い頃のサイズを基準に、腹回りが苦しくなれば若干上げたりする程度。なんとかはければ(=お腹が、お尻が入れば!)OKとして、日々のアップデートはなおざりに……
しかしそれでは、日々変化する(30歳を超えてから特に……)体型やトレンドにフィットしていなかったり、むしろ体型のデメリットを強調してしまうことさえあるのだ。
なので今回は、体型にそれぞれ少々の不安を持つリアルOC世代にご登場いただき、その不安をカバーするようなデニムを選びと着こなしにトライして頂いた!
CASE1 がっちりさん
=三浦さんの場合
「大きくなってきたお尻と太腿に合わせて、サイズを上げるしかない?」
最近、週5日でクロスフィットトレーニングに励んでいる三浦さんは、お尻とモモ周りが順調に成長中で、現在の32からサイズをアップしないと入らないかも、と危惧している最中。ただし、サイズを上げたくはないのが本音だそうで……
そこで候補に挙がったのが、お尻とモモ周りにゆとりがありながら、美しいテーパードが施されたキャロットタイプのデニム。脚を通すと確かにフィット感抜群で、裾に向けてほそくなったシルエットがすっきり感も生んでいるのだ。
三浦竜介さん:46歳/会社経営/180cm モモ周りのゆとりが足をすっぽりと美しく収める。デニムは下を参照、ニット2万5000円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー 03-5784-1238)実際に選んだのがコチラ! 31インチとまさかの1インチダウン。ダメージ&リペア加工で存分に遊びを堪能しながら、ブラックの上質ニットで大人のゆとりを醸す着こなしに。

「シルエットを変えるだけで、“がっちり太もも”に対応できるのは目からウロコでした。しかも1インチダウンなんて!」。(三浦さん)
はいたのはコレ!
リアルなダメージ&リペアがアクセント、腰回りはゆったり、ひざ下はキュッと締まったキャロットタイプデニム「OSAKA」。ストレッチも効いており、はき心地も◎。4万円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)
CASE2 細身さん
=菅原さんの場合
「下半身が華奢なら、デニムも華奢にはくしかない?」
「細身ならばいいじゃないか!」とうらやましく思う人もいるだろうが、当の本人は意外と気にしているようで……。細身の菅原さんは、特に華奢な下半身が貧相に見えないような方法を模索中。太めデニムを視野に入れていたところだそう。
菅原 悠さん:35歳/会社員/179cm サイズ無用のガチャベルトが有効。細めのタイプだと“見せベルト”も上品に。デニムは下を参照。Tシャツ9000円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)、シャツ1万9000円/アンデコレイテッド マン 03-3794-4037、スニーカー1万1000円/ヴァンズ ヴォルト(ブル ーウッド バイ ハンドイントゥリーPR 03-3796-0996)そこでチョイスしたのは、いつもはいているという30インチから2インチアップした32インチのストレート。腰から裾までをゆったりとさせ、下半身のボリュームアップに成功。ストレートのレッグラインが美しいために、サイズを上げてもルーズに見えないというオマケ付き。
ここでは、トップスにもビッグシルエットを選んでタックイン、最新のシルエット感で旬を堪能した着こなしに。

「2インチ上げてもまったく違和感がないですね。リラックス感が欲しい今の気分にもぴったり!」。(菅原さん)
はいたのはコレ!
インチアップしてもルーズにならないレギュラーフィットのストレート「FORGE」。ゆるめにストンと落ちるサイズでも良質なデニム生地のハリ感がキレイな印象をキープ。3万円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)
CASE3 小さめさん
=福尾さんの場合
「背が小さいと、デニムのキレイなシルエットは諦めるしかないの?」
この写真から、福尾さんがまさか160cm台前半と思うだろうか。普段はサイズをあまり気にせず、だいたい29インチを選んでいるという福尾さん。しかし、いつものサイズだとシルエットや加工位置がいまいちしっくり来ないのが、長年のお悩み。
実はシルエットをきちんと合わせるためには、ヒップのフィット感が重要。腰のインチサイズで合わせるだけでなく、シルエットを活かすなら気をつけるのはヒップなのだ。
福尾敬三さん:43歳/薬剤師/164cm ヒップのジャスト感をチェック。クンクン&キツキツにしすぎないように。デニムは下を参照。カーディガン3万2000円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー 03-5784-1238)、Tシャツ1万1000円/スリードッツ(スリードッツ青山店 03-6805-1704)で、今回福尾さんのヒップにフィットしたのは、スリムテーパードの30インチ。結果、1インチアップ。スリムタイプは、いつものサイズで選ぶとピチピチしすぎることがあるから要注意だ。
しかもリジッドなら、膝などの加工位置を気にすることなくはけるのもメリット。スリムテーパードのシルエットもキレイに出て、ご覧のような街男コーデにもぴったり。

「普段選ばない30インチもスリムならフィット感抜群。リジッドなら、自分仕様のリアルな色落ちに“育てられる”のもいいですね」。(福尾さん)
はいたのはコレ!
はく人を選ばない定番のスリムフィット「RAZOR」。風合いある日本製デニム生地はリジットでも色落ちしても表情豊か。4万6000円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)
3人が発見した新たなデニムスタイル。長年の慣習的なサイズや、タグに表記された「●●インチ」のサイズだけにとらわれていると、見過ごしてしまうデニムの楽しみ方もあるようで。
これを参考に、自分の体型とデニムサイズとの新たな関係、見つけてみません?
【撮影協力】デンハム・ジャパン03-3496-1086www.denhamjapan.jp鈴木泰之=写真 川田真梨子=スタイリング 髙村将司=文