間違いだらけのデニム選び Vol.9
2018.09.29
FASHION

再燃するGジャン熱に乗って、残念なオヤジにならないために

バック・トゥ・ザ・’90sの流れによって、再び気になる存在になってきたGジャン。街でも、おっきめなヤツをガバッと羽織ってタイトなボトムスに合わせている若者をよく見かけるようになった。

渋カジを通過したオーシャンズ世代としてはGジャンは身近な存在ゆえ、「俺も俺も」とマネしたくなるが……きっとウマくはいくまい。だって、時代も、アナタの見た目も、変わったのだから。

では、今っぽく、37.5歳っぽく、Gジャンを着こなすために気をつけるべきことは何か。Gジャン大好きスタイリスト、荒木大輔さん(42歳)に、そのコツを聞いた。

荒木大輔 あらきだいすけ
1976年生まれ。熊谷隆志氏に師事。独立後も、本誌をはじめ、メンズファッション各誌や広告、カタログなど八面六臂の活躍。業界内でも有名なGジャン好き。そのコレクションと着こなしの様子はこちらの記事から!

大人のGジャン選びにおける絶対条件

「何はともあれ濃色を選ぶこと」

開口一番、荒木さんから出たGジャン選びの絶対条件がコレ。
「ハードな色落ちやダメージ系は、Gジャンが持つワイルドな側面が強調されて“昔のまま”なオッサンになりがちです。さらに薄い色みは全体の輪郭がぼやけて、メリハリが付きにくいんですよね」。
なるほど。デニムパンツ同様、濃色ならグッと引き締まり、クリーンな印象が醸し出せるってワケだ。

例えば、濃色なうえにステッチもボディと同色の一枚ならば……

コテコテなアメカジでも大人っぽく見えるんだ!

「Gジャンのワーク感を高めてしまう要因のひとつに、実はオレンジやイエローのステッチがあるんです。ステッチをデニム生地と同じ色を採用して目立たなくした、いわば見ため“ステッチなし”タイプを選ぶのが、Gジャンスタイルをクリーンに見せる有効な方法です」。

そこで選んだのがこちら。

今年創業10周年を迎えたオランダ発の人気ブランド、デンハム。デニムのあるべき姿を残しながら、現代にマッチしたプロダクトで評価を得る。こちらの一着はまさにそれ。3万5000円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086

スタンダードなサードタイプ型ながら、ステッチだけでなくフロントポケットのボタンもボディと同色にして一層クリーンな印象に。ストレッチも効いていて申し分なし。それを、ベイカーパンツにポロシャツという直球アメカジワードローブを使ってコーディネイトしてみると、ご覧の通り。かなりシックな見た目にびっくり。

Gジャンは上を参照。ポロシャツ1万4000円/ラコステ 0120-37-0202、パンツ3万7000円/マディソンブルー 03-6434-9133、靴7万円/パラブーツ(パラブーツ 青山店 03-5766-6688)

「“ステッチなし”により、ワーク感がなくなったぶん、ボトムスのカジュアル度を上げてもOK。このデンハムのGジャンは、すっきりしたサイジング&ストレッチが効いていて、キレイなシルエットのうえに着心地もいい。ゆったりシルエットのオリーブ軍パンと合わせても、野暮ったく見えません」。

常に上品なパンツでなくていいという点は、ありがたいところ。思いもしなかった“ステッチなし”が、秋のGジャンライフを広げてくれそうだ。

 

それでは、さらにGジャンとウマく付き合うための3箇条を見ていこう。

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01. ボックスシルエットなら着心地も見ためもゆったり快適

「一枚で羽織る際に手軽にハマるのが、ボックスシルエットのGジャンです。裾まで直線的にストンと落ちるシルエットは、体型を隠せる効果もあって、まさに40代向きでしょう」。

確かにタイトすぎると、“わがままボディ”を強調してしまうし、着心地だって良くない。通称セカンドと呼ばれるこちらは、着丈と身幅のバランスが良くまさに“ボクシー”。オーバーサイジングな旬の気分も楽しめて、一石二鳥のアイテムだ。

着こなしのポイントは?

Gジャン4万8000円/リーバイス ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)、ニット3万1000円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)、パンツ3万2000円/オーラリー 03-6427-7141、メガネ3万8000円/アヤメ 03-6455-1103、その他スタイリスト私物。

「パンツの選びも重要です。クリース入りのテーパードタイプを合わせて下半身はすっきりさせましょう。さらに、ダークグリーンの濃色の合わせで引き締め効果がさらに強調。トップスのボリューム感を抑えています」。

パンツの腰回りはゆとりがあるので、ボックスの上半身とタイトな下半身がうまく繋がっている。 太→細のシルエットメイクも着こなしにコントラストを与えている。ボックスタイプに濃色のテーパードパンツ、なんだ、簡単じゃないか!

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02. 思い切ってインナーとして使ってみる

「季節を問わず楽しめるのもGジャンのいいところ。コートを羽織る時季にはミドルレイヤーとして使うのがおすすめ。着こなしのハズしとして機能します」。

中に着たGジャンは下を参照。コート10万8000円/コモリ(ワグ インク 03-5791-1501)、ロンT1万5000円/シテラ(ヤマト インターナショナル 03-5493-5651)、パンツ3万1000円/デンハム(デンハム・ジャパン 03-3496-1086)、靴6万7000円/パラブーツ(パラブーツ 青山店 03-5766-6688)

Gジャンはアウターと決めつけるべからず。これがキマれば、真冬のスタイルも怖くない。けれど、一体どんなGジャンを選べば?

「ジャストサイズの定番物でいいと思いますよ。昔ながらの、ちょうどの身幅で着丈はやや短い、馴染みのモデルで問題ないと思います。ここではリーを選びました」。

リーのド定番「101J」。このヴィンテージを古着屋で漁った人も多いはず。1万2000円/リー(リー・ジャパン 03-5604-8948)。

ビッグシルエットのコートに合わせているために、肩や身頃をキツく感じることもなさそう。

「コート選びもシルエットはゆったりですが、素材とデザインを大人らしく。ウールパンツ&レザーシューズを選んで、Gジャンがきちんと“ハズし”に見えるよう気使うといいですよ」。

Gジャンの骨太感を着こなしのアクセントとして昇華させるテクニックは、何かと使えそうだ。

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03.Gジャンの本質を知って、過去の自分をセルフオマージュ

上下オーバーサイズ! そんな玄人っぽいお洒落最前線にも、Gジャンでオッサンが参戦可能とは。

Gジャン4万1500円/マディソンブルー 03-6434-9133、ニット3万2000円、パンツ3万2000円/ともにオーラリー 03-6427-7141、メガネ4万円/アヤメ 03-6455-1103、その他スタイリスト私物。

「ゆったりしたシルエットでもまとまって見えるのは、Gジャン自体、本来的に身幅があり、着丈が短いから。それを逆手にとって、着丈をジャストで合わせると、ルーズには見えずに身幅のゆったり感が出せるということです」。

なるほど。これにより、必要以上にダブダブせずに、ゆとりある雰囲気が得られるとは目からうろこ。

「さらに、太シルエットのチノパンをチョイスして、思いっきり楽しむのがオススメ。僕らが高校生の頃のGジャン&チノを、現代の先端スタイルでセルフオマージュしたような格好です。着慣れた人も、昔の鉄板上下が新鮮に感じられるはず」。

初心者も上級者も手が出しやすい組み合わせが、サイズバランスを変えるだけで、現代的に見えるなんて! スニーカーも気取らないローテクタイプ。安心感とエッジィ感が楽しめるのもいい。

 

年とともに遠のいていたGジャンが、ポイントを押さえるだけで、こんなにも身近に、こんなにも広がりを持って着られるなんて! Gジャン熱が再燃しそうだ。

 

玉井俊行=写真 荒木大輔=スタイリング TAKAI=ヘアメイク 髙村将司=文

# デンハム# Gジャン# デニム
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