本誌には毎号多くのブランドの服が掲載される。ラグジュアリーからサーフまで守備範囲は広いが、それでもなお“お初”なブランドはある。
中でも、あらゆるところでよく見かけ、前から存在が気になっていたふたつを紹介したい。
オーシャンズが前から気になっていたブランド「フューチャープリミティブ」
フューチャープリミティブの服は、ご覧のとおり、ストリート感と清潔感が絶妙なバランスで配合されている。2013年にスタートした東京発のブランドで、デザイナーはオーシャンズ世代の鳥井ヶ原遼他さん。細部にヒネリが利いていて、ジッパーが表に出たパンツはその代表的なアイテムだ。どうやら、かのジェーン・バーキンがはいていたパンツに着想を得たのだとか。
この服の賞味期限は2028年!? 「10YC」
モノ持ちのいい我々。でも実は捨てられないだけで、10年前の服はタンスの肥やしが現状だ。そんな人にこそ教えたいこの10YC(テンワイシー)。“10 years clothing”、つまり「10年着続けたいと思える服」を目指すブランドだ。
代表の下田将太さんは、アパレル業界で働いていた当時「すぐヨレヨレになってしまう服が作られていること」に疑問を持ち、昨年11月に本ブランドを設立。手入れが楽なポリエステルのシャツ、泥染めのTシャツ、杢グレーのスウェット。普遍的なデザインこそ最大の特徴なのだ。また生産者に適正な工賃を支払うことで、持続可能なモノづくりの仕組みも構築しているという。今年購入したら賞味期限は2028年? いや次の10年、その先の10年も、服を代替わりさせて着続けてほしい。
数多のブランドを扱ってはきたものの、毎年、我々をワクワクさせるブランドは誕生している。オーシャンズはこれからも、そんな楽しみなブランドを積極的にキャッチアップしていこうと、決意を新たにした次第。
中村利和(BOIL)=写真 松本有記=スタイリング