「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは…… なくてはならないものだけど、出しっぱなしにするので意外と目立つのがゴミ箱。特にリビングに置くゴミ箱は、主張があるデザインは困るし、キッチンと違って消臭などの性能も必要ない。
シンプルで、さりげなくて、機能性を突き詰めたゴミ箱を探し求め、ようやく出会ったのがデュラブルのプロダクトです。
グレーがかった色みやマットな質感もツボですが、フタ付きなので中が見えないのもいいし、穴の周りが凹んでいるので、ゴミを遠くから投げてもかなりの確率でスポッと入って気持ちがいいんです。
何といっても、万が一、中でゴミが燃えても、燃え上がることなく鎮火する構造になっているのがドイツのブランドらしい。
「デュラブル」とは「頑丈な」という意味で、そこにも熱いメッセージがあるような気がします。しかも価格がとてもお手頃。
ø26.5×H34.5cm 7480円/デュラブル(ディテール 03-5724-7012)
デュラブルの「ウェイスト バケット セーフ 15 “グレー”」100年の歴史があるドイツの事務用品ブランド、デュラブル。このダストボックスは、傷がつきにくいようスチールにエポキシ樹脂コーティングが施されており、防火機能も付いている。
このゴミ箱は、僕がライフスタイルの師と仰ぐインテリアショップのオーナーがすすめてくれました。そのショップにはいつも僕の好きな家具が揃っていて、ショールームのディスプレイもかっこいいのでよく足を運んでいるのですが、好きな家具を扱っている人がプライベートでどんな生活必需品を使っているのか僕は気になって仕方ありません。
モノ選びに困ったときは、こだわりのある人の審美眼が頼み。ということで洗面所のミラーとか、お香立て、空気清浄機など、事あるごとに相談してきましたが、次はずっと探しているけれどなかなか見つからない傘立てについても聞いてみたい。そもそも傘立ては見せるべきなのか、見せないほうがいいのか? ゴミ箱に次いで難しい存在です。
出しておかないといけないモノ、いやでも目に触れるモノ、でもなくてはならないモノほど、これだ! という逸品にはなかなか出会えません。
たとえば洗面所に置くハンドソープはとりあえずデザインと香りを優先していますが、ミニマルなデザインで除菌力が高いソープはほかにないのかなとか、外国製の掃除機はかっこいいけれど、もう少しシックな色だったらいいのになとか。
自分のツボにハマる瞬間を求めて、いいモノ探しの旅はまだまだ続きます。
[藤井隆行 プロフィール]東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「京都にハマって、とある作家さんの作品を見に月一で通っています。奈良県出身なだけに日本文化を改めて学んでいます」。
「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは…… 世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
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