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懐古主義にならない“古き佳き”

ワゴニアは世界で初めて4WDとATを組みあわせたと言われる、SUVの元祖的モデル。装備も充実していてラグジュアリーSUVのパイオニアでもあった。

そんなワゴニアの、いわば廉価版として登場したのが初代チェロキーで、1993年にワゴニアの後を継いだのが、グランドチェロキー。だから5代目グラチェロが、ワゴニアをリスペクトするのは至極まっとうなのだ。

グレードによってはエアサスペンションを装備。オフロードで車高を上げたり、荷物の載せ下ろしで下げたりできる。渡河性能は約610mmと旧型より100mm高い。

グレードによってはエアサスペンションを装備。オフロードで車高を上げたり、荷物を積む際は下げたりできる。渡河性能は約610mmと旧型より100mm高い。


そんな5代目グラチェロだが、よく見るとグランドチェロキーの車名には「L」が付いている。

「グランドチェロキーLって何だ?」と思ったら、グラチェロ初の3列シートを備えたモデルを指すようで、本国アメリカでも3列シート仕様はグランドチェロキーLで、2列仕様はグランドチェロキーという名称になる。

Lが付いていないと全長が短くなり、Lが付いているほうが荷物を多く積めそうだ。

エアコンはリミテッドグレードが運転席/助手席/後席の3ゾーンで、サミットリザーブグレードは4ゾーンでそれぞれ温度調整が可能。2列目シートには後席用エアコン操作パネルが備わる。

エアコンはリミテッドグレードが運転席/助手席/後席の3ゾーンで、サミットリザーブグレードは4ゾーンでそれぞれ温度調整が可能。2列目シートには後席用エアコン操作パネルが。


搭載されるエンジンは3.6LのV6。これに8速ATが組み合わされる。7人乗りの「リミテッド」と、2列目が左右一脚ずつで6人乗りの「サミットリザーブ」の2グレード展開だ。

旧型も後になってからV8搭載モデルが追加されたし、本国ではV8搭載モデルが既にあるから、やがて2列仕様と一緒に日本へ来るかもしれない。

サミットリザーブには大型のパノラミックサンルーフも備わる。

サミットリザーブには大型のパノラミックサンルーフも備わる。


ワゴニア・テイストをわざわざデザインに採り入れるだけあって、装備は豪華。

なかでも大きなボディで6人乗りというゴージャス仕様のサミットリザーブは、2列目と3列目シートを電動で倒せるし、リミテッドのレザーシートよりさらに上質なパレルモレザーが採用される。

さらに運転席にはマッサージ機能が備わり、高級カーオーディオで名高いマッキントッシュ社製オーディオや、ハンズフリーパワーリフトゲートなどが標準装備。

オーディオには1946年創業のアメリカのハイエンドオーディオ「マッキントッシュ」のシステムを用意。ちなみにアップル社のマック(Macintosh)とは綴りが異なる。

オーディオには1946年創業のアメリカのハイエンドオーディオ「マッキントッシュ」のシステムを用意。ちなみにアップル社のマック(Macintosh)とは綴りが異なる。


 もちろん運転支援機能も大幅に進化。車両周辺の障害物をモニター上で確認できるサラウンドビューカメラやヘッドアップディスプレイが全車に標準装備される。

サミットリザーブには車線中央を維持した走行をサポートする機能も付く。またシフトレバーではなく、ジープブランドとして初めてダイヤル式シフトが備わる。

先日発表されたハマーやブロンコと同じように、洗練した見た目ながらどこか昔のSUVを思わせるグランドチェロキー。間もなくやってくるという実車で、その進化を体感してみたい。

籠島康弘=文

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