■幻の黒いエル・プリメロ
2019年、かの有名な「エル・プリメロ」の50周年に向けたリサーチの際に、ゼニスの開発チームが時計職人シャルル・ベルモが守り抜いた秘密の屋根裏部屋で発見した幻のタイムピースがある。
ゼニスが調べた結果、このブラックのステンレス製ケースのクロノグラフは1970年にプロトタイプとして数本だけ製作されたもので、関係者の間ですら長年存在を知られていなかった。
「クロノマスター リバイバル“シャドウ”」は、この記念碑的モデルから着想を得た1本だ。 マイクロブラスト仕上げのチタンケース、自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ 4061」、コーデュラ調ブラックラバーストラップなど、現代ならではの仕様をたっぷり採用。
手元に収まりのいい37mm径のサイズは、エル・プリメロの初号機「A384」を搭載した時計が持つケースデザインから受け継がれている。
戸叶庸之=文