日本で製作された新作ラインナップも力強い。
映画では、若き日のビートたけしとその伝説と過ごした日々を描いた『浅草キッド』(12/9配信)や、脚本家・宇山佳佑の恋愛小説を原作にした中島健人主演の『桜のような僕の恋人』など。
そしてドラマシリーズでは、日本アカデミー賞受賞映画をドラマ化した「新聞記者」(1/13配信)、タワーマンションに住む妻たちの禁断の恋愛模様を描いた「金魚妻」、仕事第一の男性が妊娠をきっかけに社会の矛盾に直面する「ヒヤマケンタロウの妊娠」などが控える。
映画『浅草キッド』は、ビートたけしの同名自叙伝が原作。ビートたけしを柳楽優弥が、その師匠・深見千三郎を大泉洋が演じる。監督を務めるのは、芸人であり小説家の顔も持つ劇団ひとり。自身の小説『晴天の霹靂』で監督デビューし、今作が2作目の監督作品だ。
劇団ひとりがこの作品の脚本を書き始めたのは2014年。ビートたけしを敬愛してやまない彼は、「この作品を撮らなければ次には進めない」と、ビートたけし本人に丁寧なヒアリングをして製作に臨んだ。また、ビートたけしを演じる柳楽優弥には、モノマネで有名な松村邦洋が演技指導を行ったという。
「新聞記者」は、2019年に公開された藤井道人監督の同名映画を、全6話でドラマシリーズ化した作品だ。米倉涼子が新聞記者の松田杏奈を、綾野剛が組織の論理に翻弄される若手エリート官僚・村上真一を演じる。
映画と同じく藤井が監督を務める今作では、新キャラクターも登場。横浜流星扮する新聞配達をする大学生・木下亮という人物を通して、映画にはなかった市井の人たちの視点を描いたという。映画同様、骨太な展開が期待できそうだ。
また、大きなお腹を抱えた男性のメインビジュアルが印象的な「ヒヤマケンタロウの妊娠」は、坂井恵理による同名コミックス(講談社「BE LOVE KC」所載)が原作。主人公を斎藤工が、そのパートナーを上野樹里が演じる。
仕事を最優先するプレイボーイの主人公桧山健太郎が、ある日突然妊娠を告げられる。男性が妊娠することで、それまで見えなかった社会の問題や壁にぶち当たり、それを乗り越えていく姿が描かれるという。
快進撃が止まらないNetflix。たくさんの新作を、ホリデーシーズンにゆっくり楽しんでみてはいかがだろうか。
松崎美和子=文 記事提供=Forbes JAPAN