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同氏の率いるイネオス社は、セーリングやサッカーなどスポーツのスポンサーであり、中でもツール・ド・フランスでのチーム・イネオスの活躍は有名。またF1の常勝チームであるメルセデス・AMGのスポンサーも務めている。
そんな「イギリスで最も稼いでる男」とも呼ばれるラトクリフ氏は、この新型の本格オフローダー、グレナディアに数億ドル投資する用意があるとした。
世界中の探検家や農業従事者、オフロード愛好家、もちろん従来のディフェンダーファンをターゲットにしている。
見た目がクラシカルなだけでなく、伝統的なオフローダーの構造であるラダーフレームを採用。現行型ディフェンダーがいくら技術革新によって強固なモノコックボディとしたとはいえ、オフロードでのタフさや修理の容易さが求められる(同氏の言う)本格派オフローダーにはラダーフレームは欠かせないようだ。
シートは水拭きができるレカロ製シート。床は水抜き栓のあるラバーフローリング。だからこんな風に川を渡ってもへっちゃらだ。
さらにエンジンはBMWから3Lターボと3Lディーゼルツインターボが供給され、トランスミッションは欧州メーカーの多くが採用しているZF社製の8速ATを用いるとしている。
液晶パネルがメインの今どきの車とは逆バリの、スイッチたっぷりで男心をそそるコックピット。手袋でも簡単に操作でき、イギリス製なので右ハンドルも用意されている。
もちろん前後のデフロック機構も備えた4WDを搭載。電動化が進むこの時代、現行型ディフェンダーにもPHEVモデルが追加されると言われている中で、あえて内燃機関を選択していることにもラトクリフ氏のこだわりが見てとれる。
飛行機のように天井にもスイッチがずらり。左右に脱着式のガラスルーフを備えることもできる。
現時点では5人乗りの乗用タイプと、2人乗りの商用タイプがあり、ダブルキャブのピックアップトラックも構想にあるようだ。
ピックアップトラック以外は2021年9月からすでに予約が始まっていて、2022年7月から販売が開始される予定。
左からメルセデス・ベンツ ゲレンデヴァーゲン、トヨタFJ40、グレナディア、初代ランドローバー、ウィリス・ジープ。グレナディアのプロジェクト立ち上げ時にこれらの名車を手に入れ、参考にしたらしい。
懐古主義といえばそれまでだが、それの何が悪いのか? と言わんばかりのグレナディア。
今後の電動化への動きを考えると、フォルム的にもスペック的にもこんな車はもう登場しないかもしれない。日本でも「手に入れたい!」という人は、こちらから詳細をチェックしてみては。
 
籠島康弘=文


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